(師走廿四日 下弦 八専始) 店じまい  

店じまいといっても、今晩逮捕されたライブドアの堀江貴文のことではない。私が働いている大阪の難波には、毎日が「店じまい」という店がある。いわゆるバッタ屋である。昼前頃から店をあけ夜の9、10時頃に本当の店じまいをしている。このあたりは、歌舞伎座や吉本のNGKがあるため、おばちゃんの団体がこれらの店の前を通るのである。そこへマイクで「どれでも1000円!でも今日は二つで1000円だよ〜」と若い兄ちゃんが声をあげれば、どれどれと見たくなるのが人情というものである。まあ二束三文で仕入れたものですから、いくらで売ろうが利益は出るはずである。そこへ「本当にお世話になりました。今日で店じまいです。」と連呼されれば何か買おうかとつい思ってしまう。そんな人間心理につけこんだズルい商売だといっても、毎日それを見ている者がいちいち「店じまいなんて嘘だろう」と文句を云ったりはしない。まあカワイイ嘘だからこそ許されるのかもしれないし、血気盛んな江戸っ子だったら怒るかもしれないが、大阪人はなんとも思っていないのだ。

しかし、そんなバッタ屋にも掘り出し物はある。人が少ない時に物色していると時たまそんなものが見つかるから、この手の店は面白い。大勢の人が店頭に群がっている時はこれを無視して通り過ぎればいいし、ゆっくり選べる時間があるときの冷やかしで覗いてみればいいのである。これはちょっと株式の銘柄選択にも似たところがあるのではないか。
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