(睦月八日 上弦) 事後チェック型社会  

日曜の朝の情報番組は少なくなったとはいえ、相変わらずライブドア事件の余震が続いている。しかしこのようなIT関連企業騒動のようなものは、今後も起きるだろう。そうなるしかないシステムに日本が変わったからである。

明治以降高度成長期までの日本は、「欧米に追いつき追い越せ」と単純で方向性が明らかな社会だった。そんな時代は一部の官僚らが大きな方向性を示して指揮することが有効で、だからこそ急速な経済成長を遂げることが出来たわけである。この構造は指導や規制によって個人や企業の活動をあらかじめ調整する「事前規制型」の社会だった。

しかし、先進国入りして長年経つと経済成長も鈍化し、「追いつき追い越せ」も手本がなくなってしまった。そして社会全体が複雑化し、硬直化し、巨大な財政赤字や、高齢少子化と問題が山積してくると、社会に活力を与えることが可能な社会システムに作り直すしかない。そこで、規制緩和とか構造改革という政策がでてきたわけである。市場原理を指向した経済に向かおうとする流れである。規制緩和は自由競争を市場にもたらし、厳しい新規参入制限と業務独占規定が緩和され、新規参入が促された。新規参入や競争激化が、「よりよいサービス」を「より安価」に提供されていく。これが事後チェック型社会である。

端的に言えば、日本の行政システムが大きく変わり、事前規制型から、事後チェック型の行政に切り替わった。このシステム大転換がライブドア等の問題の根源である。金融部門の規制緩和では上場ルールの緩和があった、ライブドアをはじめとする新興企業が公開されやすくなった。しかし、こうした金融部門の規制緩和には、拝金主義の詐欺経営者を生む恐れが多分にあり、この面の先進国である欧米では、こうした実例が何度も出てきた。したがってライブドア事件も起こるべくして起こったともいえる。

だからといって、欧米では指導や規制によって個人や企業の活動をあらかじめ調整する「事前規制型」に戻ることは無かった。それは社会の活力を奪い、経済が低迷することになるからである。日本においても同様であろう。それぞれの規制緩和はよい結果を生むものであるが、使い方に依っては悪用されるのは「事後チェック型」社会に移行しつつある現在では、そうした悪事を未然に完全に防ぐことは不可能なのである。

したがって投資家は目利きとなるしかないのである。IT企業とは「Immoral Trading」企業なのかもしれないのだから。
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