(如月九日) ウェブ進化論  

梅田望夫署 ちくま新書

いわゆるベストセラー本である。筆者はシリコンバレーで10年以上IT産業の盛衰をみてきたコンサルタントで、日本のネット戦略の矛盾をついた本というのが一般的な見方だろう。

インターネットが社会に与えている影響は想像以上に大きいものがある。特に日本がここ数年で高速ネットのインフラ整備で世界の頂点に立ったが、相変わらずソフト戦略はアメリカが先行している。その象徴がグーグルであると筆者は言う。確かに検索サービスしか思いつかない人も多いだろうが、自分のデスクトップ検索でグーグルのソフトをダウンロードした人はその便利さに納得しているはずだ。硬直的な社会システムが日本のソフト開発を阻害しているという指摘はあたっているだろうが、一度も組織を辞めたことのない人の発想だけで支配されているというのは、46歳にもなって今までどんなコンサルタントをしていたのか疑問である。シリコンバレーだけで世界を見てきた了見の狭さを感じる。そもそも世代交代しか変革できないから、年上のものと会わないといいながら、元SME社長の丸山茂雄氏を取り上げているのは違和感を覚える。

IT産業とはimmoral tradingの別名ではないかという思いが募るばかりだ。


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