(如月壱拾日) 一つ星転落  

フレンチの名門「トゥール・ダルジャン」がミシュランの格付けで一つ星に転落したらしい。創業1582年、最も由緒正しき店で常に三ツ星を獲得していたが、1996年に二つ星に転落し、10年経って更にランクを落とした理由は、客のほとんどが日本人や米国人で観光客が集まる場所として有名になってしまい、店が荒れてしまったとのことらしい。

有名になった店はすべからく味が落ちるというのは、古今東西を問わず不変のセオリーである。売り上げや利益を拡大しようとすれば、マスコミで宣伝してもらって新規客を増やせば簡単に達成できる。しかし、これは麻薬みたいなもので長期的には売上も客単価も減少するのである。

一流が一流たる所以はそのサービスの厳格さにある。例えば、セントアンドルースでハンディ30台のプレーヤーがクラブを振っても、そこらへんの河川敷のゴルフ場と変わらないだろう。だから、セントアンドルースはハンディの多い一見客の受け入れを限定している。誰が自分の本当の客かを考えさせられる「トゥール・ダルジャン」の転落である。
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