(如月廿四日 下弦) 運  

WBCの余韻が続いている。二次リーグで韓国に負けた時は準決勝が絶望となったのに、運良く進出し韓国を三度目の正直で破ったが、韓国に対して辛辣な言葉を発していたイチローは今でこそ牽引役として賞賛されているが、3敗していたらかの地ではイチローバッシングの嵐となっていただろう。また、WBCへの参加を蹴った日本人大リーガーはこの件で沈黙を守っている。彼らの胸の内はわからないが、大はしゃぎで喜べるはずもないだろう。運が良いと悪いとかでくくってしまうのもどうかと思うが、やはりそうした運のよさをイチローには感じてしまう。

我々の周囲にも運の良い人、悪い人はいるものだ。異動した途端に元のセクションの成績が急上昇したなどという例はよくあるケースだ。しかし、運は偶然だけだろうか。イチローはMLBの実力だけでなく、韓国やキューバの実力も口ではいろいろ言っていたが本当は熟知していたように思う。

拉致被害者の蓮池薫さんは現在翻訳家として多くの仕事が舞い込んでいて多忙を極めているらしい。友人が「運がいいねえ」といったら、蓮池さんは「運がよければ拉致なんかされないよ」と笑ったという。こんな冗談を言えるようになった彼の実力と努力を賞賛したい。運も実力のうちというだけでは何か足りないものがある。諦めず、近くばかり見ないで、既に起きてしまったことに拘泥されず、与えられた場所でベストを尽くす。これが強運の正体であると日垣隆氏は言っている。
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