(水無月廿六日) 格差社会  

最近この言葉ほど使われる言葉はない。格差がなければ人間としての向上はないし努力もない。そうした一般的な格差社会という言葉よりも実態を知る必要がある。

今日の日経によると、経済協力開発機構(OECD)は日本の経済政策に対する提言をまとめた対日経済審査報告を発表した。この中で「日本は貧困層の割合が最も高い国の一つになった」と経済格差の拡大に懸念を表明、企業が非正社員より正社員を増やしやすくする政策を打ち出すべきだと見解を示している。
    
世界から見て日本は従来、所得の不平等度が少ない社会とされていた。ところが今回の6章の報告書中、一つの章が「格差問題」に充てられているのである。所得格差が拡大しているその理由として、日本は解雇に関する法制が未整備で、正社員の解雇が困難としている。正規雇用への保護が手厚すぎるために、企業は非正規雇用への依存を強める結果となり、パート・アルバイトだけでなく、請負などの所得の低い非正規雇用者を増大させて所得格差が拡大している。

非正規雇用の拡大というと、今も昔も共稼ぎ世帯のパートのおばちゃんが主体だったはずだが、今はフリーターと母子家庭が日本の格差の原因になっているのである。OECDによると、日本は子供がいる世帯の貧困率が異常に高いという。これも両親がいる世帯は10%を占めるだけで、残りがシングルペアレントだという。このシングルペアレントが子供を養うために働きに出ても、給料の安いパートしか得られず、生活の実態は生活保護を受けたほうがまだましという現実がある。秋田の例の母子家庭が典型かもしれない。それに比べて、痴呆症の母親の面倒を見るために会社を辞め、失業手当があるということで生活保護も受けられなく、その介護で疲れ果て母親を殺してしまうという京都の事件の判決で、裁判官が指摘したような行政の不備が目立つのである。
 
「格差社会になっていない」と政府首脳は語るが、実態は行政の怠慢が助長しているということを隠匿してはいないのか。
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