(文月廿五日) コスモポリタン  

洋菓子メーカー「モロゾフ」というのはよく知られているが、この会社の創設についてはあまり知られていない。1926年ロシア革命を逃れて来日したF・モロゾフ氏が、神戸のトアロードに「モロゾフ洋菓子店」を創業したのが始まりである。

ところが、その後モロゾフ氏は日本人共同経営者と訴訟騒ぎになり、自分の名前の「モロゾフ」の商号使用を禁止されるという失意に陥り、また空襲で店舗が焼失したりと多くの苦難を経験した。戦後現社名の「コスモポリタン」で再出発した。1984年に神戸ポートアイランドに本社工場を三宮と東京の二店舗などで、チョコのほか洋菓子も販売していた。しかし、業界の競争激化から次第に売上が減少し、2005年の売上高は7億5000万円と、ピーク時の99年から三割以上の減少していた。最近では砂糖などの原材料価格の高騰が経営圧迫に拍車をかけていたようだ。

このため、三代目のV・モロゾフ社長は「昔ながらの作り方、売り方が時代の流れにマッチしなかった。体力のあるうちに店をたたむ決心をした。」ということで、このほど廃業の手続をとった。

株の世界ではコスモポリタンというと往年の仕手筋で、悲惨な結末となったことで有名だが、この手の名前は何か暗い影でも引きずっているのだろうか。90年代にはこの老舗洋菓子メーカーでおいしい思いをした外資系証券もあるが(笑)この廃業にはなにか複雑な思いではないだろうか。
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