(葉月廿六日) 喪失感  

先日から金銭が絡んだ臓器移植や代理出産など、人間の倫理を考えさせられる事件が続いている。本人にとって生きるか死ぬかの問題であり、所詮は他人の問題である。お前がその立場になれば、なんでもするというのではないかという自問も残るが、あえて私は訴えたい。去り行く者を静かに見守ることはできないか。

人間長く生きればいろいろな苦難にあう。幸運にも長生きできたものもいれば、あえない事故で儚く散っていく命もある。先天性の病魔で苦しんでいる人も数多くいるだろう。自分の娘が精神薄弱、すなわち知恵遅れという立場で申せば、なぜ私の家族がという苦しみ悔しさなど、この二十年間思わない日がないというのは嘘になる。でも人間の幸せってなんだろうかと考えさせられたし、これほど純粋な人間が身近にいることの喜びといえば大袈裟になるが、それに近いものを感じている。

努力というのは現状を否定することである。今の自分に満足できない者だけが努力をするのである。しかし、その努力には無駄な努力と有益な努力があることに気付かなければならない。自分も娘のために努力したかといわれれば、それなりにやったと思うし、自分の力の限界も感じた。ただ、まがりなりにもこの10月で20歳迎えることができ、これからの彼女の人生にどれだけサポートできるかが私の生きがいになるのだろう。

精一杯のことが、自分のお腹をいためて娘の子を宿したり、他人の腎臓を当てにするというのは何か違和感を感じる。治療であれば全て許されるというのは、少々神の領域を冒すことにはならないか。努力はした、しかし全ては解決しなかった。でも一歩でも前に進んだと自己が思うのであれば、そこで立ち止まることも許されるのでないか。全てを失うことが許せないのは傲慢である。
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(葉月廿六日) 平和賞  

ノーベル平和賞がバングラデシュの貧民層への金融支援を実施したグラミン銀行と同行のムハメド・ユヌス総裁の双方に授与された。グラミン銀行の貸出金利は20〜25%程度の金利を取っている。え!どこかの国で批判されている業界の金利とほとんど同じではないか。かたやノーベル平和賞、かたや人の命で回収も辞さないということで世間の批判を受けている。この違いは何か。

グラミン銀行は一人当たり5000円程度の少額ローンを提供している。もちろん現地の5000円であるので日本の感覚をしてはいけない。しかし、このお金は人々特に女性が多いのだが、事業融資というか、家畜を飼ったり野菜を栽培したりするなどの資金に使われる。さらに借り手に職業指導もするのである。そして借り手は5人一組でグループをつくり、お互いをいい意味で監視し合うのである。この緊張感が借り手の返済能力を高め、銀行の不良債権比率は1.3%程度である。

これに対して日本の消費者金融は生活費や資金繰りのための貸付である。余程のことがない限り、一旦深みに嵌れば脱出は厳しい。

同じ金利でもシステムが違えば天と地の違いがある。この平和賞受賞を上の空で報道しているマスコミは借金などしたことのない人間なのだろう。(高給取りですからね。)視点を変えた報道でもしてみたらどうだろう。
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(葉月廿四日) 地デジ詐欺  

2011年7月24日から地上デジタル放送が開始されることはTV各局や家電量販店で宣伝しているため、多くの人に知られていることだろう。この日までにデジタル放送対応機器を買っておけばいいのだろうというのが一般的な受けとめ方だろう。しかし、地デジ開始が大都市圏から地方圏に広がったように、この日に一斉にアナログ放送を一斉に停波することになるのだろうかという疑問が湧いてくる。このような一斉作業というとトラブルが起こるのが当たり前で、みずほ銀行の例のシステム事故を思い起こせばいいだろう。

ということは前倒しの可能性が浮上してくるわけである。このため停波日はピンポイントではなく、最終期限日以前から順次段階を踏んで停波していく計画になるのではないか。このため地域によっては11年7月以前にテレビを買い替えなければならないところが出てくるはずである。

消費者に「テレビ買い替え」を促す周知活動が本格化したのは、ようやく昨年になってからで、在京各局の女子アナ6人が出演するTVスポット広告などで11年以降は使えなくなると、タイムリミットまで6年を切ったところで急に動き出した。ところが、日本より5年以上も早くデジタル放送を開始し、当初は06年内のアナログ放送終了をめざしたアメリカでは、昨年12月に計画を09年2月まで後倒しすることが決定した。他にもデジタル放送を目指している国では、それぞれ段階的な停波計画が行なわれようとしている。

さらに停波によって私有物のテレビを無用の箱にしてしまい、強制的に買い替えさせる問題を国家として放置しておいていいのかという意見が欧米各国ではあり、貧富の差が大きいアメリカは、視聴者向け補助金に上下院が合意し、イタリアやドイツでもチューナー支給や補助金制度が採用された。ところが、日本の消費者は金持ちなのかアホなのか、補助金など問題にもならず、「買い替えは当然」といった風潮になっている。

ただ「11年7月24日」のタイムリミットだけが強調され、そこにつけこむ詐欺師たちが現れたのである。昨年末から各地の家庭のポストにNHKの名をかたって「デジタル放送接続料金請求書」が舞い込むようになった。うろ覚えで「11年7月24日」を記憶しているお年寄りは、架空請求書とも知らず振り込んでしまう。これが「オレオレ詐欺」に代わる新手の振り込め詐欺「地デジ詐欺」の手口なのである。NHKや他のTV各局もこうした詐欺が横行していることを積極的に報道すべきなのではないか。
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(葉月廿参日 下弦) 東京  

会社の研修会議が9:30から渋谷であるので、始発の新幹線に乗る。最寄の駅まで遠いので4時起きである。といっても寝たのが2時を廻っていたので2時間あまりの睡眠時間ではもたないのは当たり前で、目を覚ますと目の前は海で景色からすると熱海か。どんよりとした曇り空は会議に対する私の心のようである。

つまらん会議が終わったのが、4:30だったので、三茶の赤鬼でも行こうかと思ったが、帰りの時間に自信がなく、山手線で東京駅に向かい八重洲へ。となればもちろん「美少年」である。「お、久しぶり。○○さんと?」というマスターの声に、「いや、ひとり、ちょっと美味いもの2,3品頂戴」といえば、馬刺しと天ぷら、牛ハラミの串焼きなどが出てくる。これに純米酒があればそれだけでいい。かといって今日はひとりだし、後は残らない焼酎で。

しかし、いつもの悪いクセで電話の呼び出し。一人身のNさんに電話をかければ、マッサージを止めて出て来てくれた、ありがたいことです。話が興じるうちに、ある方の名前が出て、クリフォードさんことMさんに電話しようということに。彼とはもう何年会っていないかなあ、5年はあっていないと思うけど、その間に彼は結婚しているし、急な呼び出しで怒られるだろうなあと思ったら、「店の近くまで来たんだけど」。懐かしい顔の隣には年賀状でしか見ていない奥方がいらっしゃいましたよ。え?Mさんちょっと若返っているような、スッキリしてますよ、ええなあ。

一人だったのが出るときは4人へ。突然の電話にもかかわらず出てきてくれた方々に感謝感謝。(奢ってもらっちゃったし)でもこの一見やくざ風の奴に呼び出され行かないと、後が怖いというのじゃないだろうなあ、ははは。久しぶりにいい気持ちになれた、友はありがたい。
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(葉月廿弐日) ミレニアムカード  

百貨店の「そごう」のカードである。西武との経営統合でカードを仕切っているのはクレディセゾンであるが、実際のカード発行を行なったのは、心斎橋店のサービスコーナーだった。

普通百貨店は友の会という一年間12ヶ月の積み立てで一か月分を付加している。現在私は大丸と高島屋でこのサービスをしている。広島には大手百貨店がそごうなので、愚妻が使いやすいようにと思って、このサービスをおこなっているか聞いてみると、やっていないという。さらに家族会員ということもしていない。ということはこのカードは20から30代の独身女性のみをターゲットにしているということかな。

今週初めに愚妻用のカードを申し込みたいので、必要書類を送ってくれと依頼すると、すぐ送りますということだったので待っていたが、届く気配もないので電話を入れた。インフォメーションセンターの女性は、こちらの用件を聞くや否や「カード番号」「氏名」「住所」「電話番号」「生年月日」を教えろという。本人確認であれば全部言う必要なんかないだろう。そして送ったのかどうか確認すると、まだ送付していなくて一週間ぐらいかかりますという。あの時には「すぐ送ります」といったのに、一週間というのはあまりにも遅くはないか。申込書を封書に入れて宛名を書いて送れば、最悪二日後につくのが日本のシステムのはずである。しかも私が電話をしたのは大阪である。ミレニアムカードを作るために行列している「そごう」があれば教えてもらいたい。

そもそもここは最初に申し込んだ時にETCカードが無料でついてくるといったので、申込を行なった。しかし、いくら経っても送っていないので、連絡するとETCの申込を私がしていないという。では申込書を取り寄せて確認してくれというと、面倒がられたが、私はこの記憶だけはよく覚えていた。結果は手作業で入力していてミスになったという。おいおい、データはほとんど手作業でやっているのじゃないの。それですぐ送りますかと思えば、いつまでたっても連絡してこないので、こちらからカードを取りに行った経緯がある。此の間、7ヶ月である。

確かにバブル期の売上に迫るものがあるようだが、そこで働いている者のサービス精神は腐ったままである。同じようなトラブルというか、阪神百貨店のカードの5%割引が本店しか通用しないことを明示しなくて、西宮や三宮では使えないことを最初に明らかにしなかったことに対しては、翌日朝一番で携帯に電話があり、責任者の女性がカード申込担当職員に聞いたところ、顧客に正確な説明をしていなかったことに対して陳謝していただいた。

かようにフォロー次第で客の評価は全く違うものになる。誠実ある対応というのが小売業界の基本であることをそごうの社員はもう一度考えてみるべきではないか。また潰れるつもりかな。
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(葉月廿壱日) ウェッジ・セミナー  

「明日から役立つ“売れる”ヒント」というのがお題で、副題は「売れない技術はゴミになる」。これは今日梅田で行なわれたウェッジ・セミナーの内容である。定期購読者は無料ということで、仕事(何もしていないが、ははは)を早めに切り上げて阪神電車で梅田に向かう。会場のスカイビルは駅から遠くて、少々不便なところで平日ということもあり、人数は少なめだった。まあこれは予想通り。

さて、講演者の武末高裕氏はもう10年以上ウェッジに寄稿しているのではないだろうか。技術ジャーナリストということで視点は製造業であるし、やはり目に見えるものは分かりやすい。講演の後半にあった東京の町工場たる「新興セルビック」などは常識を覆したマイクロ射出成形機を開発話しなどは活き活きとしていた。しかし、この会社の技術は凄い。普通成形機など油圧で動かすものだし、500から600sだが、ここのは20kgで尚且つ100Vで動く。

売れる技術や製品には、ミッションと顧客満足の実現があると武末氏は語る。環境重視の時代で、売れない製品はゴミになるのだから非効率そのものと単刀直入に断言されると、非製造業の私など無駄の塊(身体もそうだが)だけに耳が痛い。日本人にとって製造業は世界に誇れるものだけだが、先ほど売れない商品はダメであると武末氏はいったはずだ。したがってどんなに技術者が自信をもって世に出した商品でも売れなければ実も蓋もない。

したがって技術者と営業、そして経営という三位一体でなければ、なかなか売れる商品は出てこないというわけである。うちの会社もちょっと商品構成を考えろよ。


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(葉月廿日) 役員来訪  

いろいろな事情があって、役員が支店にやってきた。管理職、この会社では管専職というが、集められ内部管理について厳しく指摘され、こわもて専務の独壇場である。しかし、指摘されることは一般的に当たり前のことばかりで、最近業務改善命令の続く金融業界が遅れているといった方がいい。現に金融庁長官は、法を守れない会社は退出するしかないと明言している。となれば役員は必死になるしかないわけだ。

しかし、最近の金融業界の不祥事は後を絶たない。保険業界の不払いや銀行員の横領、そして情報漏洩で新聞は囲み記事を失うことはない。製造業から見れば、何をしているんだ、この業界は、ということになるだろう。自力で復活を成し遂げた業界と、税金投入によってなんとか破綻を避けられた業界の差というものが、ここに出ているのではないだろうか。
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