(神無月壱拾日 八専終) 原了郭  

京都河原町の四条通りから鴨川を越え、右手に南座を見ながら、正面に八坂神社を見えれば、花見小路通りの手前の左側に「祇園 原了郭」がある。知るひとぞ知る「黒七味」のお店である。

創業は元禄というから、いやはや京都の薬味は深い。元々は香煎の製造だったのが、黒七味であっという間に有名になった。みなさんも蕎麦屋やうどん屋に四角い薬味入れを覚えていませんか、あれですよあれ。今は丸木筒入と八角竹入の容器である。京都土産では一番と思っているぐらいだ。

これは数年前から北新地のあるママから、盆暮れに送ってもらっている。年に数回しか行かないのにありがたいことだ。今年も美味しい麺が食べられるというものだ。
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(神無月九日) にっちもさっちも  

小林信彦著 文春文庫

週刊文春の連載コラム「本音を申せば」の2002年の文庫版である。これで5冊目という。「人生は五十一から」「最良の日、最悪の日」「出会いがしらのパッピ−デイズ」「物情騒然」と続いたのだが、さすがに4冊目はあの9・11のあった年なので、この題目がついたか。そして「にっちもさっちも」だ。2001年、2002年と21世紀に入って、日本は金融不安を伴う不況のど真ん中で(これは関西風、本来の東京であれば、まん真ん中である。)危機から脱却出来ずにいた時である。

小林氏は昭和7年生まれなので、当時は70歳。今時の70歳は若い若い、元気一杯である。若造の小泉を叱り飛ばしている。そもそも民営化などは、お上が民間の仕事を奪ってはいけないという論理で始まったのに、来年スタートの本格民営化では郵政公社は巨大な宅配会社そのものである。この人ほど、志と結果の食い違う政策をおこなった首相はいない。

そんななかに小説家の鷺沢萌さんの話にほろっときてしまった。「私の話」という本のなかで、在日韓国人との話の中で「私」は彼女達と憲法をつくることにした。憲法第一条・・・弱者には同情でなく愛情を注ぐこと。「私」は大笑いしてから、泣き出してしまう。

私は泣きはしないが感銘を受け、思わず文庫に付箋をつけた。いい言葉だ。こういうのを見つけてくれる小林氏が好きだ。
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(神無月八日 上弦) 真相  

横山秀夫著 双葉文庫

最近横山秀夫の文庫が出るとすぐ買ってしまう。一時の宮部みゆき以来だろう。この前は映画にもなった「出口のない海」だったし、元々警察小説ということで、若かった高村薫の合田刑事を思い出して、「半落ち」や「第三の時効」などを乱読した。横山秀夫の短編小説はひきつけるものがある。上手くはいえないが、当事者の心理状態に自分が嵌っていくのである。わずかな字数にこれだけの思いを挿入できる能力は羨ましい限りだ。

事件の裏というか真相はどこにあるか。そこに隠蔽、誤算、保身、疑心暗鬼など加害者の心の葛藤は続く。驚愕の事実に震える自分がそこにはある。悪夢のような罠に嵌り、自分でも気付かなかった真相に直面した時に人間の本性というか、本質を見いだすというのは平時にはありえないかもしれないが、どこかに落とし穴はある、それが人生だ。

次は彼の原点である「クライマーズ・ハイ」を読むことにしようか。上毛新聞社の記者の目にあの事故はどう映ったのか、テレビドラマでは感じなかった真相を見てみたい。 
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(神無月七日) 血糖値  

4日間日経新聞にはお目にかかっていなかったので読み直し。お客さんが読んでいるので仕方なく目を通すが、何の向上心もない記者ばかりで面白くないことばかり。だいたい新聞社としての犯罪発生率が一番多いのが日経である。固定読者がいて、社会人になれば日経などという妄想が世の中に蔓延しているせいである。今の時代、ウェブ上でみれば充分である。

その日経で目についた記事が24日の「採血無しで血糖値測定」である。そもそも最大のダイエット方法は何かと言われると、毎日というか朝晩体重計に乗ることである。二年前の手術を前にして3ヶ月で10キロ痩せられたのも、この方法である。毎日体重が落ちていくのが楽しくて、ヘルスメーターに乗るのが楽しみだった。一日に何度もチェックできるというのは緊張感の持続につながり、ダイエットも楽なのだ。

ところが、ちょっと体重がリバウンドしてくると、体重計に乗るのが億劫になるのである。昨日結構呑んだけど、まあいいや、と思った瞬間デブの道へまっしぐらとなるのである。それはここに実例がある、ははは。一年間であっという間に10キロも贅肉がつくと、あわせたスーツもきつくなる、情けない。

血糖値も同じで、常に数値を確認できれば食事に使うが、血糖値測定のたびに注射針を打たれると、私のように脂肪の多い奴はなかなか血管に刺さらなくて、まるでシャブ中患者のように痣になってしまうのだ。ところが、電気通信大学、松下電工が開発した近赤外光を腕に当てる手法であれば、いつでもどこでも血糖値が測れるのだ。従来この近赤外光を使う方法は、誤差がひどかったようだが、ここにきて改善されてきたようだ。早く実用化して欲しいものである。
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(神無月六日) 休日の過ごし方  

12:00発ののぞみで広島を発つ。何とか座れたが、岡山では自由席が満席でデッキには立ち客も。新幹線で席がないというのはつらいもので特急料金を減額しろよとぼやきたくなる。広島ではあがっていた雨は関西では次第に強くなっていく。JRを乗り継いで西ノ宮へ帰ると、卒論の準備をしている愚息が待っていた。

日曜となると午後は「たかじんの何でも言って委員会」だが、それは2時半過ぎの30分だけ。イジメ問題の続きだったようで、なんだかなあ、という感想のみ。3時からは競馬のジャパンカップ。最後尾に構えるディープインパクトは美味しい獲物を狙うかのように先頭にたつが、最後の直線の伸びは過去のレースのそれではなかった。あと少し距離があったら、3着の外国馬に逆転されていたのではないか。ちょっと普通の馬になったか?あと一回走らないのだから適当にという気持ちでも?

夕方からは相撲。今日の見どころは小結稀勢の里が勝ち越すかどうか。中日頃から珍しいサポーターをしていたので、怪我かと思っていたが、14日目千秋楽と連勝で勝ち越し。勝負強いなあ。四股名が萩原の時から注目の力士だが、昔気質の相撲取りで期待しているのだ。あとは番付が下の者に取りこぼしをなくなれば、朝青龍に伍していけるのではないか。あの横綱がけたぐりをしてまで勝ちに行った相手なのだから。

休みとはいえ疲れた4日間だったなあ。
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(神無月五日) 百貨店  

週末ということで広島そごうに行く。ここはそごうグループでも最後まで黒字を維持していた旗艦店だった。周辺に新館や新しいショッピングモールが出来て人出も多くなっているようである。クレジット会社からのポイント還元で商品券を送ってきたので、愚妻の靴と娘の服を買いに来たのである。障害児と一緒にいるとなかなか自分でじっくりショッピングというわけには行かないので、時々帰ったときに付き合っているわけだ。ボーナス前ということもあって予想よりは人は少ないとはいえ、それなりに人は多いし、娘と時間をつぶすのはなかなか難しい。言葉の通じないというか、語彙の少なさというのは親子といえども間が持たない時が多い。子供は本屋で絵本を見ている時間が一番楽しいし、横から声をかけることは嫌がる。ただ時間が過ぎていくのを待てばいいというものでもないが、結局はやれやれといったことになる。それが苦痛というわけではないのだが。。。
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(神無月四日) 平日の休暇  

こちらから会社に連絡することもないし、そのような状況でもないので、時々携帯メールを確認したり、NEWSで円高で株が安いなどぐらいの情報だけを頭に入れる。結局会社からの電話もなく、今はお客さん状態というのがよく分かる。案件もないし要は閑ということだ。

人生はいろいろある。期待していた息子が訳のわからない宗教にのめり込んで諦めていたら、対面したのは自分の病室でその時は自分に意識がないというのはどんな気持ちなのだろうか。これが脳死状態というのであれば、近親者にとっては辛い時間しか過ぎていかない。医療の現場というのは生と死、それしかないと思っていたが、どこの世界にもグレーゾーンがある。そこで決断するという苦難が続くのは精神的に参るばかりだ。
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