(長月廿七日) マネタリスト  

「小さな政府」の理論的支柱で、先進国の経済政策に大きな影響を与えたノーベル経済学賞受賞の米経済学者ミルトン・フリードマン氏が16日、心不全のため米カリフォルニア州サンフランシスコの自宅で死去した。94歳だった。財政ではなく通貨供給量の調節のみでインフレやデフレを制御する「マネタリズム」を唱えた。いわゆるシカゴ学派の巨頭で、米共和党の政策ブレーンとしても活躍。その学説は1980年代にレーガン米大統領、サッチャー英首相、中曽根康弘首相らが進めた規制緩和や民営化などの経済政策に反映された。

各マスコミで報じられたフリードマンの死である。未だ生きていたのというのが私の実感。とはいえ、1979年大卒の私のゼミは「金融論」ということで、当時の異説といわれていたフリードマンの論文を立教の西山教授の訳本でよく読んでいた記憶がある。(その後まったく私には役になっていないが。)学者の名前がそのままの理論も「おもろいな」ということくらいしか残っていない。政府が何もしないということは南米のチリで実践されている。

アジェンデ政権が1973年アメリカ主導でなされたクーデターで転覆し、ピノチェト政権はそれまでの社会主義政策を転換した。それはマネタリズムの実践そのもので、国営企業の民営化、貿易の自由化、多くの規制緩和を行なった。この結果、チリの失業率は72年には4%だったが、10年後には22%に上昇し、実質賃金は40%減少した。格差社会のさらなる拡大が貧民層を増やしたが、チリの国家財政は黒字化し、民営化された企業を買収したアメリカの投資家は莫大な利益を得ていた。どこかの国でその後繰り返された景色ではないか。


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