(師走廿弐日) あれから20年  金融

1987年2月9日、日本電信電話つまりNTTが東京市場に上場した。「民営化」という言葉が踊り、1株117万円あまりがその年には318万円まで上昇し、バブル経済の象徴となった。それまで庶民と縁が薄かった株式が一般のものとなり、初めて株主になった人も多かったのではないだろうか。しかし、その後の経過はバブル崩壊そのものである。もう株はこりごりという人が市場から離散してしまい、個人株主の復活はネット証券の時代まで待たなければいけなかった。

当時山一證券の大阪店に在籍していたが、あの日のフィーバーぶりは覚えている。その年に第二次売出しがあり318万円の高値をつけた後、あのブラックマンデーの大暴落でその高値は伝説と化してしまった。私は翌88年に退社しその後10年余りの外資系会社に転職したので、その後の個人投資家の恨み節を聞くことはあまりなかった。しかし、最近仕事でNTTの単位株未満の登録株の配当通知を持っていらっしゃる方と面談したのだが、これはNTTが株主還元として1995年に0.02の当時の無償を行った証拠である。つまりそれ以前から保有しており、たぶん相当な高値で取得したものである。

それから2000年のITバブル当時には949000円の公募増資もしたが、これまたバブル崩壊で2002年には375000円まで下落した。まあ、日経平均株価が7000円台まで下げたのだから仕方がないが。その後は50万円前後をうろうろしていたが、最近はようやく60万円台後半まで戻ってきている。

しかし、この20年間の証券市場の縮図のような銘柄で時代の流れに翻弄されたNTTも成人となったわけである。でも私の知るかぎり今日の市場では話題になることもなかった。
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