(睦月六日) 障害者の経済学  読書

中島隆信著 東洋経済新報社

2006年度第49回日経・経済図書文化賞を受賞した本である。著書の中島氏は慶応大学商学部の教授であり、脳性麻痺の息子を持つ親でもある。障害者の当事者であれば本書のいくつかの部分は障害者に対して厳しいのではないかと思える記述も多い。しかし障害者問題ほど当事者意識が優先されると、ただの被害者意識だけが先行し、障害者の自立という極めて重要な問題がないがしろにされるのである。

中島氏は冷静に第三者の目で障害者問題を捉えている。そもそも障害者問題が身近でないのは障害者の存在が目の前にないからである。障害者は養護学校という一般から隔離された学校に通い、卒業すれば作業所というこれまた人里から離れた場所で一般の目の触れないので、一般の理解度は低い。もともと障害者はかわいそうという気持ちから福祉の中心になっているが、そろそろ制度疲労となっている。カネと施設だけつくれば事足りるとなれば、人間としてどう生きるかという本質を失ってしまう。

障害者特に親には痛い問いかけも多い。障害者の手当が結局親の生活の足しになっているという事実である。私の場合も今年から娘の障害者基礎年金が支給される。年間でおよそ100万円である。たがが100万円されど100万円である。かといって娘が一人で生活することは現状では困難であり、この資金で問題が解決するわけもない。読むにしたがって頭が痛くなってきた。この問題は再度取り上げたい。
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