(弥生六日) 障害者雇用  社会

ヤマト運輸の故小倉昌男氏が障害者雇用でタカギベーカリーの協力の下、ベーカリーショップ「スワン」の発展に尽力されたことはよく知られているが、バリアフリーの精神のもとで障害者雇用に取り組む企業が増えてきていることは頼もしい限りだ。こうしたなかで、アパレル大手のワールドが知的障害者を雇用する喫茶店事業に乗り出している。

東京都杉並区が運営していた喫茶店を引き継いで一週間前に開業している。企業としては障害者雇用率の向上にもつながるし、イメージ向上にもなるということで、こうした動きは徐々に広まっている。今回は杉並区井草地域区民センター内に開業したもので、店名は「フィーカ フィーカ」。フィーカ(fika)とはスウェーデン語で「コーヒータイム」や「休憩」という意味の言葉である。したがって福祉先進国のスウェーデンに倣ってのものかもしれない。一店舗あたり5〜7人の知的障害者を雇用し、作業手順を簡素化した上で専用の器具機器を導入し、障害者にも厨房業務ができるようにしている。

しかし、障害者にとってできることが限られるのも事実である。したがってそれなりの業務も広範囲というわけにはいかない。だが、社会から隔離された施設で生活することが多い障害者の姿は世間の目からほとんど見えない。それが障害者への無理解につながっているのは言うまでもない。街のあちこちに障害者がいれば、問題意識も出てくるというものだ。こうした隔離対策は行政が昔からおこなってきたことであり、これが多くの不幸な事態を招いたのも明らかである。

障害者といえば先天性のものと思われるのが普通だが、交通事故等で心身の自由を奪われた人たちは無数にいる。誰もが明日にも障害者になる可能性はあるのである。そのためにもバリアフリーが必要なのである。
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