(弥生七日) 統一地方選挙  社会

地方選第二派の波は一部では盛り上がっていたようだが、全国的には40%そこそこの投票率では、無党派層は行かなかったということだろうか。世間の目は現職市長が射殺された長崎と、再建団体の夕張に集約されたようだ。特に長崎では故伊藤市長の娘婿が落選し、市の課長が当選したということで、娘の「こんな仕打ちを受けるとは」との恨み節が延々と放映され続けた。身代わり候補の楽勝かと思われた選挙が思わぬ結果を示したが、選挙というのは冷酷なものである。落ちればタダの人なのだ。夕張は、あわやあの「羽柴秀吉」氏が念願の全国制覇ならぬ当選を成し遂げるのではないかと思われたが、再建屋のタイヤさんに逃げ切られた。しかし、市議7期というベテラン議員に市民は冷たかった。そりゃそうだろう、自分たちの蒔いた種で市民の生活の窮乏が目の前にあるのだから。

しかし、これらの影に隠れて大事な選挙が忘れられた。高知、東洋町の町長選挙である。徳島県境にある太平洋に面した日本の典型的な田舎を揺るがしたのは、原発のごみ処理である。核燃料サイクル計画では、青森県六ヶ所村で再処理するが、半減期が1万年を超す高レベル放射性廃棄物が最後に残ってしまう。青森はその最終処分(地下深く埋設)を認めていない(あくまでも中間処理まで)から、日本のどこかでその最終処理地を探さなければならない。しかし、半減期1万年ということは文明成立から5000年程度なのだから、ほぼ永久ということだ。誰だってそんな恐ろしいものを隣近所に埋めてほしくないから、当然ながら候補地選びは難航してきた。そこで電力会社の拠出金を受けた認可法人、原子力発電環境整備機構(NUMO)が、立地調査に応じてくれた自治体にカネを出す形で何とか前に進めようとした。

これに飛びついたのが東洋町の前町長だったのである。調査を受けたからといって必ずしもゴーサインになるわけではない。つまりフリーランチしようとしたわけだ。しかし、国策の前では地方の思惑など抹殺されることはよくあることだ。結局ねごられて建設にこぎつけたいというのが国の意思なのだ。

しかっし、電力会社各社のいい加減さが伝えられる今、最終処分を考えずに原発増設もないだろう。さてごみをどうするか、皆で考える時間はそこに迫っている。

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