(卯月参日) 三角合併  経済

5月から、いわゆる三角合併が解禁され、外資による日本企業買収が容易になっている。いまのところ目立った動きは見えないように思えるが、水面下ではいろいろな動きがあるのではないか。安倍首相は「外国からの投資を5年間で倍にしたい。具体的には、三角合併が確実にできるようにする。」と先月の訪米前に語っている。しかし、外資は日本の大企業を買収しなくても、地味な中堅メーカーを買うだけで、日本の主要企業の生命線を握れるのである。世界一の自動車メーカーでさえ、底辺を支える部品メーカーの技術が流出すれば、グループの企業価値は一気に低下してしまうはずである。

これに対して、米国は安全保障の観点から、他国企業による自国企業の買収を阻止できる「国防生産法(エクソン・フロリオ条項)」を整備している。欧州でもフランスのダノンが米ペプシコに買収されるとの噂が広がったときに、ペプシコが否定したにもかかわらず、仏金融当局が調査に乗り出している。ところが、日本の外為法による投資の事前審査は、「届け出内容に間違いはない」という性善説が前提になっている。業種の別なく自国企業を防衛する米国や、噂レベルで当局が神経を尖らせる欧州と比べると、日本政府の対応は恐ろしく甘いのである。

ここを突いてきそうなのが東証マザーズ市場に虎視眈々と上場予定している中国企業である。高度成長が続く中国企業の時価総額は日本人が思っているよりはるかに大きいが、三角合併により対価として受け取る株式が現金化しにくいのであれば、既存株主は当然反対行動をとるだろう。東証上場計画はそれを防ぐためのものであることは明らかである。

団塊の世代がリタイアして、企業も代替わりの時期を迎えている。事業継承の意識が薄い二代目や三代目が、外国企業に買収されても現金化できる株式をもらえるのであれば、簡単に会社を中国企業に売却する可能性は大きい。それらの企業には軍事転用が可能な極めて高精度な技術を持っている会社も多い。うかうかしていると、あっという間に日本の技術が中国企業に盗まれることを日本政府は考えているのか。早急に法整備をおこなうべきである。
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