(卯月壱拾弐日) 早すぎる死  

疑惑の農林水産大臣が白昼に議員宿舎で自殺すると、ほとんどのニュースは隠れてしまう。同じ慶応病院の片隅で発見された彼女の死のほうが私にはショックだった。90年代という波乱の時期でその澄み切った声は、ドライブのBGMには不可欠だった。マスコミへの露出度が極端に少なく、謎に包まれた私生活だった。しかし、思わず口ずさむことが出来る曲は余りにも多い。もう二度と新しい曲が聴けないというのは残念至極だ。

癌を克服して、今週にはツアーの計画もあったという。「負けないで」「揺れる想い」カラオケで何度歌ったことか。関西に帰る新幹線のなかでiPodから流れてくるZARDを繰り返し聴き、冥福を祈った。彼女、坂井泉水は本名、蒲池幸子。同じ蒲池姓の松田聖子と同じ久留米出身だったはず。80年代90年代を飾った女性シンガーがあまり距離を置かない土地から生まれたのは、ある種の奇跡かもしれない。合掌。

死んでお詫びをするのは弱い人間だ。死んでは何も残らない。死者に鞭打つことを躊躇う政治家は同じ穴のムジナにしか見えない。坂井の死が自殺でないことを祈るばかりだ。
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