(皐月七日) 中国の心変わり  経済

先日前FRB議長のグリーンスパン氏が講演で、中国の外貨準備による米国国債について、あまり危惧していないとのコメントがあった。しかし、今日の産経のビジネスアイによると、中国の米国国債の保有残高が4月末の時点で、前月比58億ドル減の4140億ドルになったと報じている。これは2005年10月以来、初めてのマイナスであり、いよいよ米国国債のファイナンスに危険な兆候がでてきたといえば、大袈裟だろうか。

米国債の発行残高は4兆3000億ドルで、このうち半分が海外勢で、トップは日本の6123億ドル、次が中国の4140億ドルで合せて1兆ドルの保有となっている。米国政府機関の債券もあるので、巨大な経常赤字は8566億ドル、約100兆円を海外勢の外貨準備に頼っているのが現状なのだ。このおかげで米国の金利が低めに抑えられたといっても過言ではない。

しかし、最近のドルを見ていて、ようやく中国も「脱ドル」を意識してきたということだろうか。日本も実はこの第一四半期に110億ドルほど米国債を減少させている。これは3月末の決算要因が大きいとは思えるが、世界の資金の流れはやや変わりつつあるということである。

中国は3月に外貨準備の運用の新機関を立ち上げると発表したが、今週上場予定のブラックストーン・グループへの30億ドルの出資もその一環である。そして年内に2000億ドルの資金を運用するとも言われており、今後も米国債の売却が徐々に増える可能性はある。結果、どうなるか、金利はだんだん高くなり、ドル安は継続され、日本円以外の通貨が買われるという現状はなかなか変わりそうにないということだ。そうなれば、次第に輸入インフレの速度は増すだろうし、気がついてみれば日銀がついていけないほどの物価高も有り得るのではないか。
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