(長月八日) 常識破りのものづくり  読書

山田日登志 片岡利文共著  NHK出版

少し前に月刊誌「ウエッジ」の講演会では、再建屋「山田日登志」が講師だった。トヨタ「カンバン」方式の創始者、大野耐一の弟子である山田日登志は信念の人だった。その自信に満ち溢れた指導方針に揺るぎはなかった。それは現場にカイゼンの源泉を見出していたからである。人間が自らの意志でやり遂げる能力の素晴らしさを彼は指摘する。自働の「働」というのは元々中国になかった漢字らしい。人が自ら動くことによって、カイゼンは進むという数多くの奇跡とも思える光景を読者は目のあたりにする。ある種の新興宗教にも似たエネルギッシュさが停滞を打破するためには必要なのだろうか。

ヒトモノカネで、もう日本にはカネしかないと力説するのはどこかの社長だが、最近のマネーゲームの日本人の主体性のなさを見るにつけ、それは単なる夢物語に過ぎないと思うのは私だけではないだろう。やはり日本人はモノでしか世界に貢献できないのではないか。それは大量の資源を消費した20世紀の大量生産大量消費の生活様式の否定につながるのだが、世界は既に新興国の経済力の急速な発展で、そんな一部の先進国?の野望も飛んでしまうほどだ。世界の経済成長をどの国が担っているか、先ごろ発表されたIMFの半期レポートを見れば、それは余りにも明らかである。
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