(如月弐日) 「おひとりさま」市場  社会

近年、老若男女にかかわらず「おひとりさま」市場というものに光が当たっている。要するに「ひとりぼっち」のことで、若い女性向けの雑誌でも「おひとりさまマーケット」「ひとりで入れるお店ガイド」などが目につくのである。

上野千鶴子が久々に書いた『おひとりさまの老後』(法研)にこんな記述が出てくる。

《お年寄りの「家に帰りたい」というのぞみは、たんに「自分の家というスペースに帰りたい」という意味ではないのか、とわたしはかねてより疑っている。日本語の「家」ということばは、誤解をまねきやすい。「家に帰りたい」という希望と、「家族といっしょに暮らしたい」という希望をとりちがえるから、ややこしくなるのではないだろうか。》

これは、傾聴に値する見解である。この二つの希望(「自分の家というスペースに帰りたい」と「家族といっしょに暮らしたい」)は、希望する側にも同一視(混乱)がある。いずれにせよ、このような同一視を避け、敢えて二つを分けてみると本質が浮かび上がってくる。

息子夫婦が年老いた親を呼び寄せるとなれない生活から、急に惚けてくるということがあるようだ。田舎のとても不便な生活でも年老いた親には勝って知ったる生活があるので、生き生きと暮らしていけるのではないか。そろそろそういう年代になった者として気になる本だった。
0




AutoPage最新お知らせ