(皐月壱拾日) 悪魔の囁き  政治

ここのところ全国紙の紙面を北朝鮮に関する記事が目立っていたが、今日の急展開はどこか怪しい影が目立つ。政権末期状態の福田政権が、同じく名実ともにゴールまで半年になった米ブッシュ政権が最後にイラン侵攻の汚名を北朝鮮との正常化ではらそうという戦略に乗ったとしか思えない。親父ができなかったサミットの議長という名誉のために、同胞の命を粗末にするというのは、かえって親父の「人の命は地球よりも重い」という迷言に逆らうものではないか。

「よど号」の犯人の国外退去を交換条件に、経済制裁を解除するというKYさは前任者のKYの典型であった安部政権でさえ、拒否してきたのにこの豹変さには驚くばかりだ。米政権の花道のためには国の誇りさえもどうでもいいというこの政権に対しては、国民はやはり動かざるを得ないのではないか。

それにしても不思議なのは北朝鮮のほうである。「よど号」の犯人に対して、金日成は過大の待遇でもてなし、犯罪者として帰国させるなどは許さなかったはずである。犯罪者本人の意思があったとしても、あの儒教の国で親の遺言ともいうべき事項を反故するというのは、何かが起こっているということではないだろうか。最高権力者の重篤とか、内部対立激化とか。時間が経てば、事実が見えてくるだろうが、拉致被害者の家族会の人たちの虚ろな目を見ていれば、今回の決断がいかに「非国民」的なものであるか、わかるだろう。
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