(皐月壱拾四日) 楽をして  読書

「ラクをしないと成果は出ない」という本がヒットしている。ただ、楽ばかりしていては当然成果を得られないと思うし、この本の著者も、最初から努力も工夫もしないで済むようにと考えて上梓したわけでもないだろう。そんなことは当たり前だと思うが、それは普段は努力や工夫をしている人たちに言えることであり、勘違いをしている人も多いだろう。

先日の朝日新聞に、作家の桜庭一樹(「私の男」で直木賞を受賞している、この名前で誤解されているが、女性だよ)がこう書いていた。

《たまたま見たテレビの深夜番組で、30歳のニート男性が、「楽をしてクリエーターになりたい」と話したのに対し、同席していた人気漫画家が、「不本意な状況に身を置いて、もがき苦しみ、適度にストレスを感じたほうが描くべきテーマを見つけやすくなるのでは?」と意見していた。私自身、来年はどんなものを書いているかわからないし、この男性の言った『楽をして』という言葉が気になって、寝付かれなかった》

苦労して小説を書き続け、直木賞を受賞しただけに、「楽をして」という言葉が違和感を抱いたのだろうが、これが普通の感覚である。

しかし、全てを自分でやろうというのは、間違いであり、傲慢でさえあると思う。もちろん、それは既に頑張っていることが前提であり、その上でラクをして成果を出すということではないか。
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