(皐月壱拾六日 望) 解放  社会

横浜国立大学生が中東で誘拐され、8ヶ月ぶりに解放された。時として、こうした地域を旅する危険性を考えていないのかという暴論を聞く。しかし、旅する者は誰だって、危険を避ける努力を続けながらも、そのリスクを覚悟して余りある見聞が得られるからこそ、その一歩を踏み出すのである。危険には身の危険ばかりではなく、世間に迷惑をかけてしまうという可能性もあるが、23歳の自分のために、外務省の副大臣一行がテヘランまで迎えに来るということを、出発前から想像しろというのは酷な話である。

誘拐されたり拉致されたりするほうも脇が甘いと安易に言う人も多いが、その方々に、北朝鮮に拉致された被害者に同じ言葉を言えますかと問いたい。誘拐や拉致はそういう犯罪を犯すほうが100%悪いはずである。

しかしマスコミに騒がれ、副大臣まで出てくるとやはり当人にとってはかなりのプレッシャーになったことは言うまでもないだろう。本人も家族も申し訳ないという気持ちで一杯だったことだろう。自分の息子が同じ立場になれば、この中村さんのように笑顔で感謝と謝罪を言えるだろうか。それに彼は父親と再会したときに「顔向けができないと思っていたが、僕の知っている父が温かく迎えてくれて安心した。」とコメントしている。日本人として、立派な親子を久々に見て、誇りに思う。
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