(葉月壱拾七日) リーマン破綻  金融

野村證券の2倍も総資産がある金融機関がいとも簡単に破綻するとは思っても見なかったというのが、休み明けの市場関係者の本音ではないか。確かにレバレッジに偏重した米国金融モデルが崩壊し始めたというのが実感かもしれない。最大の保険会社であるAIGの資金繰りの難航も市場に影響を与えている。保険収入で年間2兆円をあげている優良会社でも、子会社のCDS業務での暴走が止められなかったという経営の問題でもあるが、このCDSの問題を考えれば、もう少しソフトランディングを考慮してもいいのではなかったのというのも市場関係者の本音だろう。

週末のNY連銀の周辺を交通渋滞に巻き込んだ会議に次ぐ会議は、政府の公的資金投入拒否という壁の前には妥協を得られることはできなかった。ポールソンの出身のゴールドマンサックスといえども、万全とはいえない米国型の金融ビジネスモデルの溶解がふつふつとその影を忍ばせている。インベストメントバンクという言葉の響きは、優秀な学生の羨望の的でもあった。しかし、その業務は実体経済を支える金融というシステムではなく、新たなリスクを背負い込まさせるシャドーバンキングという悪魔の囁きでもあった。これこそ「レベッカ資本主義」である。従来のルールを無視し、相手がわからなければ、どれだけ稼いでも構わないという傲慢の極致でもある。

今回のリーマンの破綻は決して一証券会社がなくなるというよりも、世界の金融をリードしてきたと自負してきたウォール街の崩壊の始まりではないだろうか。
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