(神無月参日)  朝三暮四  経済

昨日の総理会見では3年後の消費税率上げを明言している。これまで、あいまいにぼかして来たがはっきりと約束したわけである。そして今回の経済対策の本当の理解は次の通りだろう。

「あなたからとった、税金のうち4万円を返還します。お金持ちの人にもそうでない人も一律です。これは恒久減税ではなく1度きりです。3年後には消費税を上げますから、増税です。さあ、お金をジャブジャブ使って、景気を良くして下さい。」

これは「朝三暮四」そのものである。

朝三暮四とは猿に餌を与えるのに、朝に三つ暮れに四つやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという故事からきている。ここから、目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないこと。また、うまい言葉や方法で人をだますことを意味する。麻生はわれわれを猿と同じに見たわけである。

また、今回の対策は地域活性化対策として、大都市圏を除く高速道路料金を土日・祝日は原則として1000円の定額制にするという。この本音はETCの普及である。もちろん建前は休日のドライブ料金の軽減である。そして予想される結果は、運賃値下げで苦しむ多数の零細運転業者が、休日返上で土日の48時間に出来るだけ高速で仕事をこなす事に使われるだろう。

トラックドライバーの仕事環境が一層厳しくなっている現実を加速することだけは間違いない。一般ドライバーは安全のため、休日に高速に乗ることは控えたほうがいいのではないか。事故に巻き込まれる可能性が高くなるだけである。
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(神無月弐日) 見た目  社会

神奈川県平塚市の県立神田高校が入学試験で、服装や態度の乱れを理由に合格圏内の22人を不合格にしていた問題で、県教委は29日、渕野辰雄校長を更迭し、11月1日付で県立総合教育センター専任主幹に異動させる人事を発表した。

しかし、この校長がしたこがそんなに悪いことなのなら、県立総合教育センターの専任主幹ならつとまるというのか。それはそれで県民を馬鹿にした話である。要するに県は「入試を担当する校長としては不適切だ」と言いたいらしい。

神奈川県民に聞きたいが、本当にこの校長に対して「不信」を地元は感じているのだろうか。そのあたりもっと踏み込んで書けばいいのに、県庁や文科省に記者クラブの部屋を渡されている大マスコミの方々は、この程度しか書かない。

<県教委にはこの日、「なぜ外見で判断することがいけないのか」などとする意見が多数、寄せられた。一方、文部科学省は「公表基準以外で選考したのは入試の透明性、公正性の観点から不適切」との見解を示し、県教委に再発防止策の報告などを求める。>

<多数、寄せられた>とは卑劣な逃げの書き方であり、それが絶対的多数なのか相対的多数なのか新聞は触れていない。読者がもっとも知りたいのはそこなのにもかかわらずだ。神奈川県民の民度がよほど低いのでなければ、おそらく「圧倒的多数」だったのではないか。
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(神無月壱日 朔) 踏み上げ  金融

28日のフランクフルト株式市場で、欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)株が前日比81.7%高の945ユーロで引けた。一時は1005ユーロまで高騰して時価総額が30兆円を超え、米エクソンモービルを抜いて世界一になった。フォルクスワーゲン株は9月上旬までは200ユーロ前後を推移しており時価総額も10兆円ぐらいの株価。同時期のトヨタは14兆円ぐらいだった。

それがたった2日でフォルクスワーゲンの時価総額は43兆円と、世界一の時価総額に駆け上り、トヨタの4倍の時価総額になった。ちなみに日産の時価総額は2兆円弱だから、日産の実に22倍の時価総額に相当する。こうした、摩訶不思議な動きをするのが、現在のような相場激動の常である。

原因はいくつかある。1つはリーマンブラザーズに株券を貸していた投資家が、株が帰ってこなかったので、市場で買い直したこと。1つは、その時に世界中の株価が暴落し、GM等の株価も破綻株価になっていたので、裁定取引をするヘッジファンドが、フォルクスワーゲンは割高だ、いずれ大幅な下落になると考えて株を先物で売った。しかし、ポルシェがフォルクスワーゲンを買収している最中だったので株価は逆にじりじり上がり、大きな損を抱えるようになった。

そこに、世界中でヘッジファンドへの解約が大きなものになったのでショートしていたヘッジファンドがポジションを強制的に解消しなければいけなくなった。この株は流動株が10%もない出来高の少ない株なので、ショートしたものが買いに回ると、売り物が極端に薄くなってしまい、株価が大きく上昇してしまったのだ。同社株はDAX指数や他の主要株価指数にも採用されており、インデックスファンドも多数保有しているので、実際の市場の売り物は極端に薄いのだ。こうした、踏み上げによる株価急変は、昔懐かしいライブドア株など小型株では良くあるが、世界一の時価総額の大型株でも、こうしたことが起きるのだから、今の相場環境が知れるというものだ。
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(長月参拾日) デフォルト  

「いつか見た悪夢」が再現するかもしれない。日経によると、アイスランドの最大手銀行カウプシング銀行が発行した円建て外債(サムライ債)が27日、債務不履行(デフォルト)条件に該当したことがわかった。債券の元利払いの代理人である三井住友銀行が、利払い猶予期間の最終日である同日までに利息が支払われなかったことを認めたのである。以前の悪夢はさほど大きな規模ではなくやってきた。しかし、そのせいであまたの自治体や公社がパニックに陥った。アルゼンチン債がデフォルトになった時である。それらを資産運用に組み入れていた多くの組織が巨大な損失を生んだ。

今回のこのアイスランドの銀行の円建て外債のデフォルトは始まりに過ぎないかもしれない。サブプライムローンという場所で生み出された癌細胞は、世界中の金融機関に転移し、そこでさまざまな金融商品の破綻という、次の癌を生み出しはじめたのだ。サムライ債を資産運用に組み込んでいる企業や自治体や機関や個人となると、これはもう把握しきれまい。

特に日本には、あと一押し背中を押すと破綻するような自治体がたくさんある。直接自治体ではなくとも、傘下の3セクなどが甘い夢を見てこのサムライ債などに投資していた可能性はかなりあるだろう。そうしたところの破綻が、母体の自治体の命取りになるかもしれない。となれば待っているのは夕張市状態だ。アメリカで返済不能な貧乏人に無理やりカネを貸し付けたツケが、ついに日本の田舎でゴミを収集してもらえなくなる事態を現実のものとして生み出すわけである。

その時、国際的な金融危機などは別世界のものと思っていた人々も、自分の人生が否応なく、そうした世界の動きの中に組み込まれていることを知るだろう。
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(長月廿九日) 7000円割れ  金融

6994円90銭。ここまで下がるかというぐらいの数字である。ただ、7000円われというノックインで買いを入れたところもあったようだ。欧米の金融恐慌の影響も、日本は影響が薄いし、レバレッジバブルへの関与も少なかったのに、なぜ日本株は世界から見ても下落率が大きいのか。答えはシンプルだ。日本株を買う人がいなくなったからである。

過去10年以上の間、日本株を売り買い差し引きして買い越してきたのは外国人投資家だけだった。2002年の株価が低迷していたときは0.8兆円。株価が底打ち上昇し始めた2003年は8.2兆円。04年は7.7兆円、05年は10.3兆円、06年は5.5兆円、07年は5.4兆円。今年上半期は0.4兆円だ。この上昇相場の間に外国人投資家は37.5兆円もの日本株を買い越してきた。

一方で、貯蓄から投資へとの掛け声の下で、日本人の投資家は日本株をたくさん売買してきた筈。その姿が見えるべき個人投資家は同期間に16.9兆円の日本株を売り越してきた。銀行や信託銀行や保険を通じて株を買っているかと考えてみてみれば、それぞれ3.2兆円、16.1兆円、2.4兆円の売り越しだった。日本人で買っているのは、株式を発行して売る側の事業会社が、自社株買いや株式持合いによって5.4兆円の買い越しだけだ。

外国人投資家は7月以降に売り越しに回ってしまい、10月の第3週までの4ヶ月弱で1.8兆円を売り越している。唯一、日本株を買っていた人が逆に売りに回ったのだから、株価が猛烈な下落を示すのもごく当然なことだ。
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(長月廿八日) 未曾有の金融混乱  

金曜日の夕方からの金融市場の混乱は人類が経験したことの無いような勢いだった。時間外の日経平均先物はバブル時の安値を大きく下回り、為替は一時米ドルで90円台をつけ、ユーロは一気に114円台となった。これを受けたNY市場ではダウ平均は一時500ドル以上下げ、312ドル安で終了した。為替はやや落ち着いて94円台で終わっている。

金融の混乱が実体経済に影響する恐怖に世界中が慄いている。あっという間に資産が目減りし、円建ての債務は膨張してしまった。日銀の低金利政策が世界の金融の攪乱要素となり、政府の「貯蓄から投資へ」という掛け声は詐欺だったという結果しかない。資本主義という概念が崩壊するのかもしれないという歴史的な境界にいるのかもしれない。

明日もまた悪魔がささやきに来るのだろうか。
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(長月廿七日) 芋畑  社会

<園児のイモ「なぜ抜く」/第2京阪用地、大阪府が代執行>
これこそ悪しき弱者の論理である。もうすこし大人の対応をすればいいのに、全く子供の教育にもならず、我儘な大人ばかりがそこにいる。

しかし日本のマスコミというのは頭がおかしいのを再認識するばかりだ。橋下徹知事の以下の発言を一部の大マスコミは「また暴言」のように伝えたが、これまた麻生太郎首相のホテルのバー通いを「庶民感覚では」云々と言うのと同じ、自分たちが世論だと思っているものに媚びるまことに頭が悪い安易な書き方である。

<大阪府の橋下徹知事は16日朝、報道陣の取材に答え、「府は4月から任意交渉を誠実に続け、慎重な対応をしてきた。(高裁の決定まで)今後2週間遅らせると、通行料で6億〜7億円の損が出てくる。公の利益のためということで、園の所有者には申し訳ないがこのまま代執行をさせて頂く」と説明。イモの収穫については「なぜ2週間早く(収穫を)して頂けなかったのか。執行前に、菜園を使った別のイベントをやることもできたのでは」と話した。>

きわめて真っ当な対応だろう。もし橋下が企業の経営者であれば、この判断をしなければ明らかに株主代表訴訟を起こされる。府知事にとって株主は有権者だから、判断を間違えればボイコットされても仕方ない事態だ。ただし、ボイコットはハードルが高いので行われないだけである。

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