(霜月壱拾四日) ノーベル賞授賞式  社会

ノーベル賞の授賞式がストックホルムのコンサートホールで開かれ、物理学賞の高エネルギー加速器研究機構名誉教授の小林誠、京都大名誉教授で京都産業大理学部教授の益川敏英、化学賞の米ウッズホール海洋生物学研究所・元上席研究員、下村脩の3氏に、スウェーデンのカール16世グスタフ国王からメダルと賞状が授与された。

式の美しさと荘厳さは感動的だった。けっして贅沢というのではない。簡素ですらある。しかしその中に凛とした権威と風格を滲ませていた。さらに驚いたのは、授賞のスピーチの中に日本語が折り込まれたことだった。若干でも科学を知るものならば、これが授賞者側からの、湯川秀樹博士などから今に至る何十年にもわたる、素粒子力学という日本の「お家芸」そのものへの最大の賛辞と敬意であると理解するだろう。あまたの日本人の研究者たちが感動し、あるいは涙したのではないだろうか。

奥様の健康上の理由などでストックホルムに出向くことができなかった南部陽一郎氏にはシカゴ大で授賞式が行われた。南部先生はこう述べている。「物理学のしくみは単純だが、この世界はつまらないものではない。私にはそれがとても理想的なことのように思われる」。

シンプルなものから成り立つ私たちの宇宙を豊かにしているものは何かということを、南部氏は示唆しているのではないか。
0




AutoPage最新お知らせ