(霜月壱拾九日) ゴーンの警告  経済

日経に日産のカルロス・ゴーン氏のコメントが出ている。彼は3点を指摘している。

第一に、急激な信用収縮が起き、長期の投資資金だけでなく、足元の運転資金さえ部品会社や販売店では枯渇しかねないこと。この結果、複雑な下請け構造の自動車産業では、1社の経営破たんが、玉突き的に連鎖する恐れが高い、すなわち信用危機である。

第二に、先行き不安から消費者は財布のひもを引き締めたことによる深刻な需要減退である。これは月を追うごとに深刻化しており、ボーナスシーズンを終える来年年明けにはどこまで需要が落ちるか予想もつかない。自動車産業は膨大な裾野を持ち、大幅減産は鉄鋼業界にも電機業界にも、そして広告費を通じてマスコミ業界にも波及する。すなわち需要危機である。

第三に、1ドル90円を切った急激な円高である。円相場がこの水準で定着すれば、日本製品は外国製品に競争力を持てなくなるはずである。大幅に通貨が安くなった韓国、台湾、東南アジア、欧州製品に対して売り負けするからである。これに対処するために、製造拠点の海外シフトがいや応なく進み、国内の雇用はますます悪化する。すなわち為替危機である。

以上三点とも対処することが難しい。たとえば、為替危機が1986年に起きたときは、当時の日本は不動産バブルで国内の需要を維持した。また信用危機が1997年に起きたときは、多額の税金を投入して銀行を集約させ、その間にITバブルがあり、多少なりとも対応が出来た。

しかし今回はこの三つの危機が同時に起こっているのである。過去に同時に起こったのは1930年代である。戦争に突入していった過去の事例を人類は避けられるのであろうか。
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