(霜月廿弐日 下弦) ゼロ金利政策  金融

つい一月前にはユーロ・ドルは1ユーロ1.25ドル程度だった。そこから一気に15%程度ドル安ユーロ高になった。この間円ドルは8%ほどの円高である。円以外の通貨に対してドル高傾向が続いていたが、いつの間にはドルは下落を続けている。さらにFRBのFF金利のゼロ金利政策が駄目を押している。

このドルの下落こそがバーナンキのまさに望んだことであろう。ゼロ金利というのはインフレーションを起こすリフレ政策であるから、ドル安になって輸入インフレが起きてくれなくては困るのである。そして、米国内にバブルが起きるのを願っているのである。日本では、ゼロ金利が10年以上続いているから、あまり何も感じない人が多いのだが、自国の不利益になる「為替安」「インフレ」「バブル発生」を仕掛ける、非常時の政策がこれなのである。

これはひとえにデフレの恐怖なのである。日本のデフレはゆっくり進行したが、現在アメリカで進行しているデフレは、1932年以来の消費者物価の低下という急速なものである。さらに11月の新規住宅着工件数は、約半世紀前にこの統計が採用され始めて以来の数字になっている。つまり非常策を取らざるをえないほど米国経済は崖っぷちなのである。

5.8兆ドルの残高の米国債市場に、来年は1.8兆ドルの新規発行が待っている。金利低下は米国の利払い債務の減少に繋がるのだから、発射台は低いに越したことはない。

来年の大量の米国債発行は、更なるドル安を生むだろうが、外国政府が継続して米国債を買ってくれそうだし、ドルの緩やかな下落はあっても、ドル基軸通貨制度をぶち壊し、自国の輸出産業をも破壊するようなドル売りをすることは無いと見ているわけである。この楽観論もしたたかだが、これまでの常識では考えられないことが起こっているわけであるから、チャンスは必ずあるということだ。
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