(師走壱拾四日) ロシアの思惑  政治

欧州向けのロシア産天然ガス供給停止を打開するため、EUはロシアとウクライナ両国のガス紛争の調停に入った。両国の独占ガス企業の首脳らに供給ルートの国際監視の受け入れを要求し、EU加盟国はプラハでの外相会合で両国に早期の供給再開を訴えた。中・東欧などでは企業活動に影響が出始めており、早期の供給正常化を目指すという。ウクライナとロシアのガス供給契約が年末で終了した。しかし、年初からも対欧州向けのガスをウクライナが抜き取ったとしてロシアが対欧州向けもストップした。これで話が面倒なことになったのである。

ロシアに2つの思惑があるようだ。1つは、現在のロシアが金融危機によって資金繰りに窮しだしていること。ロシアの財政は原油価格が70ドルを超えていないと税収が滞る上に、国内金融機能が発達してないので、外銀に金融機能を委ねているが、いずれもが資金流通を滞らせており、政府による金融・財政支援が急務となっているのである。こうした現状では、なるだけ多くの外貨を稼ぎたいのが本音だろう。要は政治的思惑抜きにウクライナから現金を稼ぎたいというわけだ。第二に、今回欧州が困れば困るだけ、ロシアが敷設計画中のバルト海パイプラインへのニーズが強まるという見通しがある。

今のところは「反ロシア」で共通する欧州メディアだが、ガス供給不足が長引くと、国民の怒りは次第に「何も出来ない自国政府」に矛先を変えることになる。現在欧州が反対しているバルト海パイプラインへの建設がOKになるまでこの問題は続きそうである。
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