(師走廿六日) ポンド危機  金融

英ポンドが14年ぶりに対円で最安値をつけている。14年前というと米ドルが79円台をつけた超円高時以来である。原因は相も変わらず金融危機の余波である。既に危機に陥っていて、英国政府が株式の57%を保有するロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が280億ポンドもの損失を出しそうだとの話が出て、その解決策に市場がおろおろしているからである。英国史上最大の4兆円近い損失が一気に出てくるのだから、混乱もさもありなんと思う。中央銀行のイングランド銀行が、RBSの全ての不良債権を保証、証券買取を約束しているので、不安なのはRBSではなく英国政府そのものと、英ポンドになったのである。しかし、この金額昨年までの為替水準だと6兆円いじょうであり、米シティも真っ青な数字である。

英国に限らず、欧州銀行全体で証券化商品を米国の銀行の6倍も保有しているのだから、そして、その時価は半値八掛け2割引とも言われるのだから、欧州の銀行から巨額の不良債権償却損がでてくるのは自明のことである。ではなぜ今騒がれるのか。

1つは、昨年9月のリーマンショック以来、世界の金融危機の連鎖を止める為に、巨大銀行を潰さないという欧米政府のコンセンサスが出来たために、安心して不良債権を帳簿に載せることが可能になったこと。RBSもBOEの保証があるから出してきたということ。

1つは、2008年9月までは2007年夏以降のサブプライム危機に端を発した証券化商品の時価暴落による損失だけだったのが、リーマンショック以降の世界中の景気悪化により、新たな危機を迎える企業が多くなり、これらの追加損失が今は積み上がっている真っ最中だということ。

つまり、今のうちに膿を出し尽くさないと危ないと言う危機感の現われが今回のRBSの巨額の損失なのである。他行もほとんど状況は変わらないはずであり、この問題を見る限りでも今回の金融危機の根の深さを表しているのである。

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