(弥生八日 宵月) 新聞の資質  経済

日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)は2日午後、首脳宣言を採択し、閉幕した。2010年の世界経済の成長率を2%に回復させるため、財政出動など「あらゆる必要な行動」をとることで一致。参加国が来年末までに総額5兆ドル(約500兆円)の財政出動に踏み切ることで、数百万人分の雇用の維持・創出を目指すことを表明した、と日経は今朝の紙面で報じている。しかし、ロンドンのお膝元FTは次のように報じている。
World leaders on Thursday agreed to “fight back” against the global recession with $1100bn in funding for the International Monetary Fund, regional development banks and international trade finance, but did not commit themselves to a new round of fiscal stimulus.
    
同じ会議内容を語るのに、日本の新聞記事と欧米の新聞記事が全く異なる内容なのは奇異である。日経の名誉?のためにも朝日も読売も「G20サミットで500兆円の財政出動をすることに合意した」とある。しかし会議主催国の新聞で、多数の記者を動員して会議を良く知る立場のフィナンシャルタイムズでは、日本の新聞報道を否定して「財政出動の約束は出来なかった」としている。数値的な合意としては、IMFや貿易信用、国際金融機関に110兆円の出資をすることになったとあり、約束されたのはこの部分だけだった、ともしている

日本やアメリカが財政出動での合意をG20で取り付けようとしたが、ドイツやフランスの反対によって却下された。正確に言うと、賛成したのは日英米トルコ4カ国だけなので、16カ国に反対されたのである。

サミットの裏舞台と言うと豪華な宴会が話題になるが、今回はNEET出身のコックが提供した質素な料理だった。日本の新聞も上記のような大本営発表をそのまま流すようでは存在価値がない。日本の新聞記事だけを読んでいたのでは、誤った情報しか得られないという事実だけが改めて浮き彫りになったのである。
0




AutoPage最新お知らせ