(弥生壱拾六日 十六夜月) REITの再生  金融

民事再生手続き中の不動産投信であるニューシティ・レジデンス投資法人は4月7日、米ローンスターおよびグループ会社のKFキャピタルをスポンサーに選定し、東京地方裁判所に再生計画案を提出した。再生計画の認可決定から5年以内の再上場をめざすと日経は報じていた。それによると、再生計画案の骨子は(1)第三者割当増資によって投資口を新たに発行、(2)投資口の公開買い付け(TOB)によって既存投資主に投資口売却の機会を提供、(3)再生に向けて資産運用会社を変更、(4)再生債権などは5年ですべて弁済―以上四つである。

政府によるJREIT支援策の案は出ていたが、実際に政策としてはまだ実施されていないなかで、今回のニューシティ・レジデンス投資法人のスポンサーが決まったことはグッドニュースである。ただ国内勢、特に既にREITのスポンサーとなっている大和ハウスが有力とも云われていたが、落札できなかったようだ。

今回の新スポンサーの交代については、買収価格が1,200億円というのもポイントである。この金額であれば債権者の棄損はない(借入金:673.4億円、投資法人債:310億円)。民事再生で100%の回収となるというのは極めて稀であり、REITの採算性にも注目されてもいいのではないか。また、投資口保有者に対してのTOB価格は35,000円と上場時の最終価格の14,200円に比べれば約2.5倍となっている。これについては純資産からみて安すぎると見る向きもあるだろう。

ただ日経では1200億円で買収とあるが、実際にローンスターが資金を出すのは当面約120億円余りであり、再生計画の承認までに、投資主総会、債権者集会などもクリアーしていかなければならない。また再生債権等へ全額返済が完了するまで、投資主に対して金銭の分配もしないとの記載があるが、非上場とはいえ投資法人であることに変わりはなく、配当可能利益の90%以上を配当しないと、税法上の導管性要件を満たさないことになり、法人税の支払いをすることになる。まさか分配を停止して、法人税の支払いを優先するとは思えないので、既存の物件を全て評価替えして特別損失を計上し、複数年にわたって課税利益がないような形にするのではないだろうか。
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