(卯月壱拾参日 十三夜) 減配  経済

上場企業の前3月期の決算発表が続いている。金融危機から実体経済に影響が深刻化し、多くの日本企業が下方修正を余儀なくされている。そこで気になるのが株主への配当を抑制する企業のあまりの多さである。日経の見通しでは減配するのは約4割の企業である。先行き経済に不透明感が強いので、減配するのは当たり前と言うのが一般投資家の受け止め方かもしれない。

しかし、ここはよく考えていただきたい。株式だけでなく、債券やさらに貸付、不動産など資産の価格とは「「将来それが生み出すキャッシュフローの現在価値」と言い換えられるというのは投資理論の第一歩である。株式の場合、キャッシュフローに相当するものは配当であり、気分次第で大きく上下する株価からの値上がり益ではない。株主にとっての企業とは、今日投資した株主資本を将来の配当収入に変換してくれる対象なのである。

配当支払が主目的としての企業は、現在の配当と、内部留保を現存する事業機会に投資して得られる将来配当という2つの支払い方のみである。多くの日本企業の経営者が減配するというのは、現在の利益を直ぐに配当として支払うよりも、現在は大きく儲けられる事業機会が存在するから配当を将来支払ったほうがより株主のためになると判断したということと等しいはずである。

日本企業が挙げた利益を配当として支払ったのは、平成19年度で利益全体の17.5%だ。当然ながら、この配当性向は世界の中で見ると最も低い部類になる。日本企業は経費として損金処理した減価償却費が、内部留保の1.3倍ほどあって、その分の現金を隠し持っているので、利益を内部留保として持たなくても経営には何の支障も無いのである。それにも拘らず今回、配当を減額して内部留保を増やすのである。

中国のように、経済成長率が高く、将来の事業機会が日本よりも遥かに多い国でも、株主に対して配当を支払う割合はもっと多い。日本企業の場合、株主資本に対する利益率も世界の中では最低の部類で、配当性向のベースとなる利益水準そのものも低い。よって、投資した株主資本に対する配当利回りは世界で最低を続けているのである。

最低水準の利益しか挙げられないのであれば、さっさと挙げた利益の大半は直ぐに還元すべきではないか。

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