(卯月壱拾九日 寝待月) インフルエンザのその後  社会

11日付の米科学誌『サイエンス』(電子版)に、新型の豚インフルエンザにメキシコで4月末までに約2万3千人が感染したと、世界保健機関(WHO)や英国、メキシコの国際研究チームが推計したと報告されたという。それによると、死亡率は0.4%と見積もられ、1918年に大流行したスペイン風邪ほどではないが、約0.1%とされる季節性のインフルエンザより高いとのことだ。しかし、WHOは『サイエンス』に論文で発表する前に記者会見することもなかった。なぜ?

WHOの中で、事務方と専門家のコミュニケーションがうまくいっていないのではないかという危惧があると一部のメディアが伝えていたが、今回の出来事はやはりと思える節があったようだ。

しかし、科学者にとっても今回の出来事は絶好の調査対象である。論文発表の機会でもあるのだ。そのためには競争相手に情報を漏らすことなく、ある種の完結した形で調査を終えたあとでまとめて発表したいという思いもあったのではないか。しかし現実世界が求めているのは不完全ではあっても素早い報告である。やはり何が起きているのかを世界はもっと早く把握しなければならない。

メキシコに国際的な調査団は入っていたが、経過的な報告はなかったということである。「油断してはいけないがパニックになるほどのものではない」というコンセンサスはどうやら世界的に共有されてきたようだ。しかし、いつこのウィルスが変異して強毒性になるかはわからないし、十分な警戒が必要であろう。
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