(皐月四日 夕月) ハゲタカ  経済

最近映画「ハゲタカ」のCMがよく流されている。6月6日から公開されるようだ。NHKで数年前に放映されたTV版は良く出来たドラマで、私も再放送を何度も見たぐらいである。

ところで、映画版のストーリーとしては、トヨタを想像させる日本のトップ自動車メーカーが中国の国富ファンド(SWF)に買収を仕掛けられるという話らしい。実際、日本の自動車メーカーは、買収される可能性を否定できないほど厳しい状況にさらされている。日本車メーカーは利益率の高い高級車や大型車の生産拡大を目指し、集中的に資本投入してきた。同時に、金融事業を増強していった。しかし、先進国では高級車や大型車への需要が減退し、世界中に売れない車の工場を大量に抱え、破産寸前のGMをそう笑えない状況にある。驚くかもしれないが、中国のSWFがトヨタを買収するという映画の設定は荒唐無稽な話ではないのだ。

そうしたなかで、明るい話がハイブリッド車の人気化である。EUでは、2012年までに新車の走行距離1Kmあたり二酸化炭素(CO2)平均排出量を130gに抑える新規制の導入を決め、規制未達のメーカーに対しては罰金を科すことを決定した。日本でもエコカー減税制度が、HV車のような低燃費車の購入を促している。こうした環境規制や優遇税制等から、消費者サイドでの強いHVニーズが生じ、そう遠くない将来に世界の新車販売の5台に1台がHV車となり、普及台数の10台1台がHV車になるとの予想がされている。

トヨタやホンダのようなHVで進んでいるメーカーが生き残れ残存者利益を享受する可能性が増しているわけだが、課題も多い。これまで、大型車・高級車に生産シフトした結果、小型車のコスト競争力や利益力が弱まってきているのだ。実はHV車は小型車の中でも利益率が低い車種である。HV車の生産拡大によるスケールメリットでのコストダウンだけでなく、利益率を上げるための電池等のHV車特有の部品へのコストダウンがどれだけ進むかが鍵である。
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