(皐月壱拾日 宵月) MBO価格  経済

「牛角」などを展開するレックス・ホールディングスの経営陣によるMBOをめぐり、株主らが株式買い取り価格が低すぎると、申し立てていた許可抗告審で、最高裁はレックス側の許可抗告を棄却する決定をした。1株約33万円を公正な価格とした東京高裁決定が確定した。最高裁が会社法に基づく株式の買い取り価格について判断を示したのは初めてである。

最近、上場企業のなかに上場の維持が困難というより、もっとわかりやすく言えば面倒なので、親会社が完全子会社にしたり、MBOによる非上場化などが目立つ。今回判決が下りたレックスHDの案件もそうした一つである。

レックスHDの経営者と投資ファンドが、レックスをMBOしようと企図し、投資ファンドが一般の株主の株式をTOBによって、買い上げるのだが、その直前にMBOの当事者でもある経営者が業績の下方修正をしたのである。当然株価は下がる。そして、TOB価格もかなり安くなる。

多くの一般投資家はTOBに渋々応じたのだが、一部投資家がこの情報の流れと割安なTOB価格で持ち株を売らざるを得なくなったことを不服として提訴したのである。

一審はMBO側が出した安いTOB価格を支持し、二審では業績の下方修正する前の価格をTOB価格とするよう示した。今回最高裁は二審の価格を正しいとする決定を下したのである。この最高裁決定は、MBOが株主とバイアウト側に構造的な利益相反状況にあることを認め、その手続きにはバイアウト側が透明性や公平性に最大限の配慮を義務付けた点に意義がある。

日本のこれまでのMBOが株主にとって著しく不利であったが、この最高裁判例によって、次第に改善されるものと考えられるが、世の中ケチな経営者は多いからどうだかなあ。
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