(皐月廿六日) 神奈川県民の皆様へ  社会

神奈川県平塚市の旧県立神田高校(現・平塚湘風高校)の受験生が、選考基準にない「茶髪」や「スカートの長さ」など外見や服装で不合格にされた問題で、神奈川県教育委員会は不合格とされた22人のうち4人について、慰謝料を含め計856万円を支払うとする和解案を合意した、と発表し、19日開会の県議会に和解案を提出するらしい。

この出来事が発覚したのは昨年の秋で、私もこの日記に書いた記憶がある。結論は「落して何が悪い」である。学校であれ会社であれ、入れてもらおうという相手のところに受けに行くのに、きちんとした格好をして行くというのは、最低限の常識でしょう。自分を選考するための礼儀として、せめて不快感を与えない服装で行くのは当たり前で、一般社会で通用している常識とはこういうものではないのか。

ところが、このとんでもない餓鬼達やその親に慰謝料を払うと言うのだから納得がいくわけがない。メディアによれば、神奈川県の顧問弁護士に相談したところ、「紛れもない不適正な合否判定で、精神的な苦痛を与えた」と判断したらしい。県教委は不合格とした受験生に謝罪を始めるとともに、今年3月から受験生側と賠償交渉を始めていた、というのだ。私が知事ならこんな腰抜け弁護士はすぐに解任である。そうは思わないかね、神奈川県知事。その上で、相手がタカってくるならば裁判で徹底的に闘えばいいのである。世の中の良識というものがどうなのか、意見を陳述すべきだったのではないか。

それで負けたなら知事を辞職して、選挙で民意を問う。静岡県知事の立ち木問題の辞職よりはるかに県民は納得するのではありませんか。世間知らずの裁判官の判決が正しいのか、神奈川県民の良識が優っているのかを示せばいい。県民の負託を受けて政治をしているなら、それぐらいの覚悟で社会としての正義をきちんと貫くべきである。慰謝料と言うが、これはあくまで公金であり、タカリと言わなくてなんなのか。

そもそも神田高校でも、まともな親御さんたちは、この件で更迭された校長の復権を願って署名活動を行うなど熱心に動いていた。元校長の渕野辰雄氏は、地域から馬鹿にされていたこの神田高校を見事に建て直したからだ。以前の同校は校内に飲食物が散乱し、喫煙やいじめ、盗難などが絶えなかったという。近隣の公民館やコンビニエンスストアなどには「神田高生の立ち入り禁止」の張り紙が出され、アルバイトを断わられたり、果てはバスに乗せてもらえなかったこともあったというスクールウォーズ状態だったのである。入学した140名のうち、80から90名が中退する高校って、想像できますか?

そんな学校からごみが消え、生徒たちは挨拶をするようになり、地元の警察は「指導件数が減った」と舌を巻き、大学や専門学校に進む生徒が増え、さらにクラブ活動も活発になり、チームが組めないほどだった野球部は、平成18年には公式戦で10年ぶりの勝利を飾ったほどだ。この野球部の奇跡については『ザ・ノンフィクション』で取り上げられ、それを見た阪神の藤川球児が自らのブログで感動を綴ったという逸話もあった。

ところが世間が忘れた今年の春になって、県教委は渕野前校長=現県立総合教育センター専任主幹=を停職3カ月とするなど、当時の入試にかかわった計5人を懲戒処分としたのである。教育者として義を貫き、ダメ高校を建て直し、なおかつ腐ったリンゴを阻止しようとした渕野氏が処分され、とんでもない格好で学校に押し入ろうとして断られた餓鬼どもの親はカネを寄越せといい、神奈川県は自らそれに屈しようとしているわけである。こんなことが許されるのだろうか。神奈川県民の皆さん、明日の県議会にはこんな議案が提案されるのですよ!盗人に追い銭ではありませんか。
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