(閏皐月廿五日) 昔よりある業界に、今あらわれたベンチャー企業  経済

お題目の標語を掲げているのが、ジャスダックに上場している「家族亭」である。戦後生まれのうどん屋さんは、現在二代目社長が引退し、回転寿司のカッパ・クリエイト傘下となり、現在は投資組合が筆頭株主になっている。今日は京橋でこの会社の個人投資家のための会社説明会があったので出席した。

乾社長の経歴は変わっている。東大を卒業して日産に入社。それからアメリカに留学してMBAを取得。日本に帰ってから外資系コンサル会社で経営企画をすすめ、実践で駿河精機で光通信分野を建て直しするが、経営陣と衝突、失意のうちに退社し、プータロー状態。(でもここまでで、人生に必要な資産は稼いだのではないかと私は思いますけどね、でないとコスタリカ人の奥さんのふるさとでストリートチルドレンの救護施設など作らないでしょう)たまたまカッパクリエイトから招聘されて、カッパの役員となり、傘下の家族亭に社長として乗り込んできたわけである。(しかし、日産に入社したときにうどんやの社長になるとは想像しなかったでしょうが)

家族亭と言えば思い出すのが阪神大震災のときである。たまたま外資系にいた私は会社の斡旋で梅田のホテルを確保でき、訂正な範囲なら宿泊料金として計上しても良かったので、食事もしていたが、回りの困窮さを考えれば、豪勢な食事など出来るはずもなかった。そこで、お世話になったのが地下にあった「家族亭」だった。当時9歳の娘も「おうどん、おうどん」(現在も大好きですが)毎日通ったぐらいだった。その細めんが気に入った私も、ちょこちょこ利用させてもらっている。

厳しい社長の下で社員は大変だろうが、自分達の会社にしたいという思いは伝わってきた。最近は海外にも進出しているようだが、これから先チェックしていきます。

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(閏皐月廿四日) アメリカという国  社会

総選挙が近づいてきて政権交代が真実味を帯びてきたので、先に政権交代となったアメリカについて少し考えてみた。一言で言えば「アメリカは権力の交代がある全体主義国家である」というのが結論である。

資本主義の家元のような顔をして市場経済至上主義と言っているが、経済界と政界のつながりはまことに深い。ブッシュ政権で企業の元トップたちがその中枢にいたことでもよくわかる。さらにGMなどの救済に税金をつぎ込むことで「それは社会主義ではないか」との批判があるが、何のことはない、元からアメリカは全体主義、すなわち社会主義、共産主義国家なのである。

そのイデオロギーは「拝金主義」だ。そのために政官財、時にはメディアまでもがつるんでなりふりかまわず邁進する。お互いの業界の間で人材交流があることを、日本の大マスコミや知識人はよく礼賛するがそれはある意味「グルになりやすい」ということでもある。

だからアメリカ人に拝金主義をやめろというのは中国人に共産党独裁をやめろとか、北朝鮮に金一族を叩き出せとか、イスラム諸国に信仰を棄てろというようなものである。

全体主義国家の統治原理は法治ではなく人治である。有力者とのコネがすべてを決めていく。アメリカでもまさにそうであって、日本の大マスコミもアメリカの対日政策などを論ずる時に「大統領との近さ」や「知日派かどうか」ばかり強調するではないか。

この「人治」「人脈」はまさにカネのつながりなのだが、それが「理由」を求める日本人にはなかなか理解ができない。そこで「影の組織論」がさかんになる。アメリカや世界経済を裏から支配しているのは、やれユダヤだ、やれフリーメーソンだという陰謀論である。

しかしよく考えれば、そんな難しいことではない。あの国を拝金全体主義国家として見れば、人脈すなわち金脈であり、ユダヤだのフリーメーソンだのというものもあるかもしれないが、それはカネのために利用するものに過ぎず、原動力ではない。

「権力の交代がある全体主義国家」ここにアメリカの底力があるのではないか。政権が交代するとガラガラポンである。それまでカネを生んできたコネはチャラになる。一方で、まったくの徒手空拳からカネをつかむ人々が生まれてくる。
アメリカンドリームとはこういうことではないのか。オバマがいい例ではないか。日本人が信じているように、ひたすら刻苦勉励で夢を掴むというだけではない。そこには人脈やコネというレバレッジが働き、だからこそ人々は政治に対して熱心になっているのだ。
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(閏皐月廿参日 下弦) 衰退業種に咲いた花  金融

米金融大手ゴールドマン・サックスの2009年第2四半期決算は、最終利益が34億3500万ドル(約3200億円)となり、前年同期に比べて65%増加した。市場予想に対しても約40%上回った。証券市場の回復に伴い、トレーディングや株式の引き受けで大きく収益を伸ばした。4〜6月期は最終利益、純営業収益とも四半期ベースで過去最高の水準に達した。

しかし、オバマ米大統領は14日、ホワイトハウスで記者団に対し「米国の失業率は今後数カ月、上昇を続けるだろう」と述べ、雇用情勢の悪化が当面続くとの見通しを示した。オバマ大統領は「今回の景気後退は、大恐慌以来最も深刻なものであり、雇用の改善には時間がかかる」と先行きの不透明感を指摘。景気が回復軌道に乗った後も、雇用は容易には回復しないとの見方を示した。

GSのニュースだけ見ると、アメリカの景気が回復した結果、証券市場も活況になり、その結果、GSの業績も良くなったように思えるが、景気の実態はオバマ大統領すら雇用の更なる悪化を認めざるを得ないほどかなり悪いのである。

こうした環境下でGSの業績が好調と言う事は、少し意味が異なる。いわば米経済と米金融業界がますます苦境に陥っているからGSが儲かっているのだ。アメリカ政府や地方の負債がどんどん増えるという経済状況の中で、彼らが発行する債券等の借金をどんどん売って流通させなくてはいけない。しかし、リーマン・ブラザースやベアスターンが消えて無くなり、過去の名門ソロモン・ブラザーズも今や風前の灯のシティの中で輝きを失っているのが現状だ。

売ってくれるのはGSのみになりつつある。発行条件や仕組みはGSの言うがままになり、GSの儲けが非常に大きくなっているのが今回の決算の内容なのだ。しかもGSは昨年秋に注入された公的資金100億ドルを先月完済し、政府に負い目は全く無くなっている。

衰退業種の中の生き残り企業による独占利益は美味しいということだ。
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(閏皐月廿弐日) 熱い8月  政治

歴史的な結果を招くであろう今回の解散総選挙だが、選挙そのものでも前代未聞なことが多々ある。そもそも8月投開票は戦後初であり、解散から40日は最長と異例ずくめなのだ。

8月に選挙が行われなかったのは、戦没者慰霊やお盆など、この月は日本人として不可欠な行事が多いからだと言われてきた。いわば彼岸と此岸が近くなる時であって、その聖なる月の静寂を、選挙カーの騒音でかき乱されたくないという心情が昔の人々の心の底にあったのだろう。しかし、実はもっと現実的な理由があって、8月投開票なんてことになると、死人が出るかもしれないのだ。日本の夏は熱帯の国々に比べても不快指数が高い。そこへもってきて、事実上はこれまででもっとも長い闘いとなる。候補者は公示日を待たずにすぐに走り出すから、もっとも暑い季節をフルに活動しなくてはならない。奇しくも夏休みの間がずっと活動期間だ。「バンザイ突撃解散」に「夏休み選挙」というわけである。

政治評論家の方々は、それぞれの選挙区の事情を勘案してさまざまな予想をたてておられるが、この「夏休み選挙」が意外な効果をもたらすのではないか。まずは投票日までの夏休みに車で遊びに行く人たちは平日の値下げの恩恵をこうむることになる。票集めのためには、政府と官僚の絶妙の連携プレーだろう。これはまあ、夏休みが自民党に有利に働きそうな部分である。一方で先ほど書いたように夏の暑さは、長老議員たちを痛撃するだろう。体力勝負となれば「若手有利」なのである。地方の首長や議会でも、ここへ来て急激に世代交代が進んでいるが、真夏の総選挙は中央でもその歯車を回すことになる可能性がある。これは、比較的若手を擁立している民主党に有利というところか。

そして8月30日という投票日だ。「皮膚感覚」で言うならば、学校が始まる寸前の精神的に皆がいらいらしている時期ではないだろうか。ご当人達は大変だろうが、外野から見ればそれこそ延長戦のような野球を見るようなものだ。しかし、だらだらした試合だけは見たくないものである。
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(閏皐月廿壱日) キリン・サントリー  経済

さすがに日経というべきか、今日のスクープは久しぶりか。このような記事が出来るから存在価値があるのかもしれない。キリンとサントリー、食品業界の巨人が経営統合とか。

しかし、この組み合わせのゴールにはハードルが高い。まずは、上場企業と非上場企業という組み合わせのデューデリは難しいの一言に尽きる。ビール事業を40年以上赤字で続けられたのは非上場の同族企業だからこそ出来たはずである。持株会社でサントリーの同族持株の比重の重さをどうするかというのも大変な作業である。しかし、これを上手くまとめられたら投資銀行には莫大な手数料が入ってくる。さて、MUFGはどれだけ稼ぐつもりだろうか。

統合会社は世界水準ではコカコーラを凌ぐ規模になると言う久々のグローバル企業の誕生になる。この背景にはやはりサントリーの同族会社での限界を現社長が最も強く感じたせいではないか。今の佐治社長であればサントリー社内は何とか納まるだけの器量を持った人物である。しかし、次の世代ではサントリーがサントリーでなくなってしまうと社内で一番感じていたのではないか。

それを見て自社をどうすべきか真剣に論議すべきは武田薬品ではないか。食品で世界に伍していける企業が誕生すれば、薬品業界というディフェンシブ銘柄のなかで日本企業の存在は余りにも小さい。世界の巨大な薬品企業の強さを一番知っている武田がこの先どういう世界戦略に取り組むのか注目したい。
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(閏皐月廿日) 東京都議選挙  政治

歴史的敗北の自民党、投票率が10%上がっても全員当選の公明党、地滑り的勝利の民主党、民主に食われジリ貧の共産、社民、その他政党。

今回の都議選の結果を一行にしてみたらこういうことか。投票率が上がったとはいえ、たかが半分の50%台。これで民主主義が成り立つのだからいい加減なものだ。半分近くの人はどうなってもいいというのだから、この国の将来は危うい。行動を起こさない日本人ほど他国から最も不思議に思われるだろうし、軽蔑もされるのではないか。

東京の本丸で自民の大ベテランが落選するようでは、同じ選挙区の与謝野氏は反麻生に傾くのではないかと思うし、親父の都政に対してどう感じているのか、選対本部の伸晃は?うつろな目は自らの選挙への諦めか?

しかし、勝った民主党でも若さだけが取り得ですと、臆面もなくマイクに向かう奴の顔のさもしさ。そういえば、東国原も知事になった当初の輝きは既になく、政界に蠢く寄生虫のような顔に最近はなっているように思える。なんだか全てに品がないんだよ。
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(閏皐月壱拾九日) リスク回避  社会

知り合いから聞いた話である。株券の電子化で株式の配当を証券口座で受け取ることも可能になったが、その人は証券会社を信用していない(苦笑)ので、従来の郵便為替で配当を郵便局に受け取りに行ったそうである。そこで、為替を差し出すと局員は「身分証明書を見せて下さい」といったらしい。その人は「持っているが嫌です」と答えたという。(全く嫌な奴です、はい、ははは)実際そんな法律はなく局の内規にすら明記されていないのだ。ただし、10万円を超えるカネの移動の場合は、法的に根拠があることは注意されたい。

ここで更にしつこく言ってくる相手には「私あてに送られてきたことがここに明記されていて、私が印鑑を押している為替を、なぜ換金してくれないのか」「では○○会社の総務にここから電話をして、あなたが株主に送った為替を郵便局が換金してくれないと言うから、向こうと話してくれるか」と言うと必ず折れると、得意げにのたまう。(そういう問題じゃないと思うけどね)

実は彼は郵便局で「なぜ身分証明書を出さなくてはいけないのか」と聞いたことがあるらしい。すると「この為替を拾ったり盗んだりして持って来たかもしれないから」と言われたのだという。捺印した為替は現金と同じである。それを落したならば落した人の責任だろう。にもかかわらず、郵便局は記名の人間と違った相手にカネを渡した場合に、自分たちが訴えられることを恐れているということである。

かつての郵政省の時にはこんなことはなかったでしょう。民営化されてコンプライアンスだのガバナンスだのをわあわあ言い始めたゆえの、馬鹿馬鹿しい成果というべきである。なにもこれは郵便局だけではない。コンプラを隠れ蓑にして自分の仕事をしていない奴のなんと多いことか。

結局どうなったかというと、提示無しで現金を支払ったそうです。おかしな世の中です。
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