(閏皐月壱拾八日) オフィスビル事情  経済

オフィス仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が9日まとめた東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の6月末のオフィスビル空室率(解約予告を含む)は、7.25%と前月比0.29ポイント上昇し、2004年9月以来、4年9カ月ぶりに7%台となった。空室率の上昇は17カ月連続で、経費削減のためオフィス面積を縮小する動きが続いている。3.3平方メートル当たりの平均賃料(募集ベース)は2万418円と前月比1.2%(242円)下がったという。
     
東京オフィス街の空室面積は2007年末に17.6万平米しかなかったが、2008年末には31.5万平米に増え、直近の6月末では49.2万平米に達する。1年半で2.8倍に増えた計算だ。新築のビルでは空室率は3割を超えている。

オフィス賃貸市場では2010年問題と言うのが語られて来た。団塊世代の退職によりオフィスワーカー数が減るので、オフィス賃貸需要が減り、空室率が上昇するのではという懸念が2010年問題だった。

しかし、定年退職前にリストラされた人数が少なくないことと2006年の改正高齢者雇用安定法で60歳から65歳への雇用延長が促進されたため、団塊世代の退職が本来の2007〜2009年に集中せずに分散した。さらに外資系金融機関や外資系企業によるファンドを通じた不動産投機ラッシュによって空室率はあまり上がらなかった。

この反動による不動産・建設会社の倒産続出による資金繰り悪化と、世界同時不況により企業が一斉に賃貸面積を縮小させる動きを示したため空室率急増となっているのだ。今後は、先伸ばしされた団塊世代の65歳定年ラッシュと、少子化の影響によるオフィスワーカーの減少がじわじわと効いてくるはずである。

2009〜2012年にかけて東京都区部では、2002〜2007年にかけてとほぼ同じの年18.6万平米のビル完成による新規供給があるので、オフィス需要増がなければこれがそのまま供給圧力となり、空室率が上昇するだけでなく、賃料への大幅低下圧力となる予想である。

オフィスビルの買い時はまだ先のようである。
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