(閏皐月廿弐日) 熱い8月  政治

歴史的な結果を招くであろう今回の解散総選挙だが、選挙そのものでも前代未聞なことが多々ある。そもそも8月投開票は戦後初であり、解散から40日は最長と異例ずくめなのだ。

8月に選挙が行われなかったのは、戦没者慰霊やお盆など、この月は日本人として不可欠な行事が多いからだと言われてきた。いわば彼岸と此岸が近くなる時であって、その聖なる月の静寂を、選挙カーの騒音でかき乱されたくないという心情が昔の人々の心の底にあったのだろう。しかし、実はもっと現実的な理由があって、8月投開票なんてことになると、死人が出るかもしれないのだ。日本の夏は熱帯の国々に比べても不快指数が高い。そこへもってきて、事実上はこれまででもっとも長い闘いとなる。候補者は公示日を待たずにすぐに走り出すから、もっとも暑い季節をフルに活動しなくてはならない。奇しくも夏休みの間がずっと活動期間だ。「バンザイ突撃解散」に「夏休み選挙」というわけである。

政治評論家の方々は、それぞれの選挙区の事情を勘案してさまざまな予想をたてておられるが、この「夏休み選挙」が意外な効果をもたらすのではないか。まずは投票日までの夏休みに車で遊びに行く人たちは平日の値下げの恩恵をこうむることになる。票集めのためには、政府と官僚の絶妙の連携プレーだろう。これはまあ、夏休みが自民党に有利に働きそうな部分である。一方で先ほど書いたように夏の暑さは、長老議員たちを痛撃するだろう。体力勝負となれば「若手有利」なのである。地方の首長や議会でも、ここへ来て急激に世代交代が進んでいるが、真夏の総選挙は中央でもその歯車を回すことになる可能性がある。これは、比較的若手を擁立している民主党に有利というところか。

そして8月30日という投票日だ。「皮膚感覚」で言うならば、学校が始まる寸前の精神的に皆がいらいらしている時期ではないだろうか。ご当人達は大変だろうが、外野から見ればそれこそ延長戦のような野球を見るようなものだ。しかし、だらだらした試合だけは見たくないものである。
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