(閏皐月廿参日 下弦) 衰退業種に咲いた花  金融

米金融大手ゴールドマン・サックスの2009年第2四半期決算は、最終利益が34億3500万ドル(約3200億円)となり、前年同期に比べて65%増加した。市場予想に対しても約40%上回った。証券市場の回復に伴い、トレーディングや株式の引き受けで大きく収益を伸ばした。4〜6月期は最終利益、純営業収益とも四半期ベースで過去最高の水準に達した。

しかし、オバマ米大統領は14日、ホワイトハウスで記者団に対し「米国の失業率は今後数カ月、上昇を続けるだろう」と述べ、雇用情勢の悪化が当面続くとの見通しを示した。オバマ大統領は「今回の景気後退は、大恐慌以来最も深刻なものであり、雇用の改善には時間がかかる」と先行きの不透明感を指摘。景気が回復軌道に乗った後も、雇用は容易には回復しないとの見方を示した。

GSのニュースだけ見ると、アメリカの景気が回復した結果、証券市場も活況になり、その結果、GSの業績も良くなったように思えるが、景気の実態はオバマ大統領すら雇用の更なる悪化を認めざるを得ないほどかなり悪いのである。

こうした環境下でGSの業績が好調と言う事は、少し意味が異なる。いわば米経済と米金融業界がますます苦境に陥っているからGSが儲かっているのだ。アメリカ政府や地方の負債がどんどん増えるという経済状況の中で、彼らが発行する債券等の借金をどんどん売って流通させなくてはいけない。しかし、リーマン・ブラザースやベアスターンが消えて無くなり、過去の名門ソロモン・ブラザーズも今や風前の灯のシティの中で輝きを失っているのが現状だ。

売ってくれるのはGSのみになりつつある。発行条件や仕組みはGSの言うがままになり、GSの儲けが非常に大きくなっているのが今回の決算の内容なのだ。しかもGSは昨年秋に注入された公的資金100億ドルを先月完済し、政府に負い目は全く無くなっている。

衰退業種の中の生き残り企業による独占利益は美味しいということだ。
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