(閏皐月廿四日) アメリカという国  社会

総選挙が近づいてきて政権交代が真実味を帯びてきたので、先に政権交代となったアメリカについて少し考えてみた。一言で言えば「アメリカは権力の交代がある全体主義国家である」というのが結論である。

資本主義の家元のような顔をして市場経済至上主義と言っているが、経済界と政界のつながりはまことに深い。ブッシュ政権で企業の元トップたちがその中枢にいたことでもよくわかる。さらにGMなどの救済に税金をつぎ込むことで「それは社会主義ではないか」との批判があるが、何のことはない、元からアメリカは全体主義、すなわち社会主義、共産主義国家なのである。

そのイデオロギーは「拝金主義」だ。そのために政官財、時にはメディアまでもがつるんでなりふりかまわず邁進する。お互いの業界の間で人材交流があることを、日本の大マスコミや知識人はよく礼賛するがそれはある意味「グルになりやすい」ということでもある。

だからアメリカ人に拝金主義をやめろというのは中国人に共産党独裁をやめろとか、北朝鮮に金一族を叩き出せとか、イスラム諸国に信仰を棄てろというようなものである。

全体主義国家の統治原理は法治ではなく人治である。有力者とのコネがすべてを決めていく。アメリカでもまさにそうであって、日本の大マスコミもアメリカの対日政策などを論ずる時に「大統領との近さ」や「知日派かどうか」ばかり強調するではないか。

この「人治」「人脈」はまさにカネのつながりなのだが、それが「理由」を求める日本人にはなかなか理解ができない。そこで「影の組織論」がさかんになる。アメリカや世界経済を裏から支配しているのは、やれユダヤだ、やれフリーメーソンだという陰謀論である。

しかしよく考えれば、そんな難しいことではない。あの国を拝金全体主義国家として見れば、人脈すなわち金脈であり、ユダヤだのフリーメーソンだのというものもあるかもしれないが、それはカネのために利用するものに過ぎず、原動力ではない。

「権力の交代がある全体主義国家」ここにアメリカの底力があるのではないか。政権が交代するとガラガラポンである。それまでカネを生んできたコネはチャラになる。一方で、まったくの徒手空拳からカネをつかむ人々が生まれてくる。
アメリカンドリームとはこういうことではないのか。オバマがいい例ではないか。日本人が信じているように、ひたすら刻苦勉励で夢を掴むというだけではない。そこには人脈やコネというレバレッジが働き、だからこそ人々は政治に対して熱心になっているのだ。
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