(閏皐月廿八日 海の日) 数学・物理オリンピック  社会

文部科学省は20日、世界の高校生らが実力を競う国際数学、物理の各オリンピックで、日本代表は数学で5人、物理で2人の計7人が金メダルを獲得したと発表した。数学は国別で過去最高の2位。数学、物理の日本代表計11人全員がメダルを取った。数学の金メダルは筑波大付属駒場高3年の副島真さん、同高3年滝聞太基さん、開成高3年保坂和宏さん、灘高3年今村志郎さん、久留米大付設高2年岸川滉央さん。副島さんは全参加者565人中でトップの成績だった。兵庫県立北摂三田高3年石川卓さんは銅。

これだけ学力低下が言われている中で、数学の「過去最高」はたいしたものである。今回の顔ぶれを見ると全国の高校からのまさにオールジャパン。ここで見えてくるのは、教育現場でも「格差」がはっきりとしてきたということだ。学力崩壊と言われていながらトップグループのそれはあまり落ちてはいないのである。むしろ、ここに登場している学校名でわかるように、トップグループの分布は分散している。ピラミッド型からテーブルマウンテン型になったというべきか。銅メダルに兵庫県立北摂三田高が入っているのなど、立派なものだ。兵庫県の教育関係者は、灘の金よりもこちらの銅にある種の感慨があるだろう。

最近の「高校全入」に代表されるように、他の素晴らしい能力を殺してまで勉強嫌いな子供たちの首に縄をつけて椅子に座らせても、そこには荒廃した悪平等が生まれるだけである。勉強する環境そのものまで壊してしまい、一部の向学心あふれる才能がずいぶんと埋もれてきたのだ。そうした教育現場を作ってきたことは猛烈に反省されるべきだ。

スポーツのアスリートの世界では、一部の突出した才能の持ち主たちに、資産や資源を傾注して先頭を突っ走らせる。そうした人々だけが世界を相手に闘えるからだ。にもかかわらずマスコミは、なぜ教育の世界では学問のアスリートを憎々しげに扱い、誰もが同じスピードで走るようなことを主張するのだろうか。

世界はいま、まさに知的財産権や所有権の分野で熾烈な空中戦が闘われている。今回の数学や物理の五輪でメダルをとった子供たちは、そこに突っ込んでいくべき日本のエースたちである。最大限に大切にし、あらゆる支援でその才能を開花させるべきだろう。
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