2009/8/29(文月壱拾日)  官僚支配の打破  政治

いよいよ明日で政権交代が実現しそうである。その政権の座に着く民主党の主張の1つの骨子は「官僚支配の打破」である。しかし、歴史を振り返れば、この官僚という化け物は政権をひっくり返すだけの力を持っていたのである。

鳩山由紀夫氏の祖父、一郎氏が初めて得た大臣の座は文部大臣である。ところが、この大臣の職を汚職の疑いで辞する事になる。その後、上司である斎藤実首相も内閣を総辞職する羽目になった。これは、平沼騏一郎らの検察がでっち上げ、のちに全員が無罪となる帝人事件を仕掛けられたためである。日本の司法制度では検察の職務範囲と権限が世界で一番広く、検察が内閣を潰そうと思えば簡単に出来る仕組みになっているのである。

検察が内閣を潰した最初の事例は第1次山本権兵衛内閣で、これも平沼騏一郎が、首相とは無関係だったが、無理やりシーメンス事件に関与しているとのリークを新聞に流して、世論の批難をあおり内閣を総辞職させた。

なぜ、平沼らの検察が山本内閣を倒閣しようとしたのか?それは山本内閣で文官任用令を改正し、公務員試験に合格していないものでも自由に法制局長官、警視総監等の高等管理職に任用出来るようにしたためと見られている。折角、高文試験合格者の特権となった職を政治家に奪われる事を嫌い霞ヶ関の後押しを受けて、検察が恣意的に倒閣したのである。その証拠に、後継の第2次大隈内閣では文官任用令が再改正されて、高文試験合格者のみの任官となり、政治任命が出来なくなったのである。

この文官任用令は次の次の原敬内閣で山本内閣と同じ内容に変わり政治人用が可能になった。原敬は政治任命をごり押しせず、逆に高級官僚の多くを政党に取り込み官僚出身の国会議員を増やした。そして、国会議員となった元高級官僚を政治任命し、大臣への登竜門としたのだ。高級官僚を政党に取り込むことで、政治が自由に官僚を動かせるようにしたのである。吉田茂、岸信介、佐藤栄作、池田隼人、福田赳夫、大平正芳といった元首相をはじめとする官僚からの人材スカウト制度が延々と続くことになったのである。しかし、自民党はこうした歴史を無視して、人材を世襲に求めて、官僚からのスカウト路線を廃止している。さて、民主党は官僚をどう扱うのだろうか。
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