(文月廿五日) 優先順位  

必要なのは1回なのか2回なのか。そして優先順位はこれでいいのか。マスコミはそれぞれの言い分の垂れ流しだけだ。きちんと論議すればどうか。インフルエンザワクチンの話である。

厚生労働省は10月下旬から始まる新型インフルエンザワクチン接種の具体的な方法を公表した。1人2回、医療機関に予約して接種することを原則とし、必要な自己負担は計6000〜8000円程度とみられる。「医療従事者」「妊婦」「基礎疾患のある人」など優先順位の高いグループから順に、ワクチンが確保でき次第、接種を始めるとした。

大マスコミの衆愚相手が実にくだらないと思うのはこの6000円とか8000円をとりあげて街頭で「高いわあ」「そんなもんでしょう」などとやっていることだ。命が救われるのであれば6000円であろうと8000円であろうとかまわないではないか。それよりも問題なのは「2回」という部分だ。ここへ来て、海外では「1回」でいいという決定が頻発しはじめている。

米厚生省のセベリウス長官は会見で、新型の豚インフルエンザのワクチンのこれまでの臨床試験の結果、大半の健康な成人には1回接種で十分な免疫が得られている、と発表した。豪州では“1回の接種で大丈夫”な新型インフル予防ワクチンを接種するという話だ。

当然だが1回と2回では社会的な経費は倍違う。またワクチンを日本だけ2回使うとなると世界的な批判も起きるだろう。日本人は「過剰にやっているものをもとに戻す」ことにまことに抵抗がある。ここは良識を発揮するとともに、政治的にも勇気ある判断が欲しい。もうひとつ危惧しているのは「優先順位」だ。

新型インフルエンザ用ワクチンを接種する優先順位案について、厚生労働省は対策に携わる専門家を招いた意見交換会を開き、参加した専門家からは「医療従事者や持病のある人を優先しているのは、世界の流れと同じで評価できる」との意見が大半だったという。いつもの平和ボケである。

リストからごっそりと抜け落ちているのが、防衛、警察、消防である。この人たちがいなくなると国家は滅びる。
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