(文月廿六日) 健保財政  社会

大企業の会社員らが入る健康保険組合の財政が悪化している。全国組織の健康保険組合連合会がまとめた全国1497組合の2008年度決算によると、経常収支は合計3060億円の赤字だった。赤字は6年ぶりで、黒字を確保した組合は約3割にとどまった。高齢者医療の負担金が1年で約4200億円増えたことが主因である。      

これは現役社員やその家族向けの医療費支出が3.1%増だったのに対し、高齢者の医療費を賄うための拠出金が18.3%の大幅増だったからである。今や健康保険組合の支出の半分が傘下社員家族向け、もう半分が高齢者向けとなっているのである。

与党連立合意文書でも後期高齢者医療制度は廃止と明記され、後期高齢者医療制度がいずれ廃止されることになる。しかし、その後の展望が見えない。誰もが医療の充実を望むが、誰もが負担増を望まないから、どんな変更をしても、大きな不満が湧き出すだろう。

実際本来なら、もっと大きかったはずの前期高齢者医療拠出金が、厚生労働省による算定係数の引き下げによって縮小したので赤字幅は少なくなっているのである。その赤字が減った分は、前期高齢者が多く加入している国保の赤字が増えることになる。

本来的にはGDP対比の医療費支出が日本は異常に少ないことから来ている問題なので、国庫負担を大幅に引き上げないことには満足のいく決着はないだろう。それでも、4000万人以上いる健康保険無保険者を救うために、公的医療保険を作ろうとする政策に対して「共産主義的政策は止めろ」と10万人のデモが起きるアメリカに比べればはるかにましなのだ。
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