(長月壱拾四日) ブレディスローカップ  スポーツ

今日から日本シリーズである。野球キチガイの私だが、今日はパス。今日のメインはこのブレディスローカップである。でもよほどのスポーツ好きでないと、何のこっちゃでしょうなあ。ラグビーのニュージーランド代表(世界ランク2位)とオーストラリア代表(同3位)の定期戦である「ブレディスローカップ」の今季第4戦が今日午後5時半から、国立競技場で行われたのである。南半球ビックスリーの戦いが目の前で見えるなんて、東京の人はええですなあ。え、チケット買ったらいけるやんけって?そんな暇もカネもおまへん、ははは。

オールブラックスので知られるニュージーランドは、SOカーターを中心に自陣からでもトライをねらえるバックス陣に加え、フランカーのマコウら突破力がある第3列のスピード感あふれる攻撃が特徴だ。対するワラビーズ(オーストラリア)は、SOギタウのキックを起点に攻め込み、身長2メートルのロックのホーウィルやフランカーのエルソムらパワーあるFW陣で前進を図るというスタイルである。

同カップは4試合で争われ、今季はニュージーランドが3連勝してすでにカップ獲得を決めているが、第3国でのライバル対決で、世界最高レベルの迫力あるプレーが期待されたが、期待通りの好ゲーム。途中猛タックルでのシンビンがあって、ワラビーズが逆転する場面もあったが、最後は実力のオールブラックスの貫禄勝ちだった。しかし、2m100kのごつい男達のぶつかり合いは日本のラグビーでは見られない、本当に迫力のある本場のプレーだった。

しかし、国内試合と違うのは体格だけの問題ではない。そのスピード感である。これはレフリーの問題もあるのだろうが、日本の審判は笛が多すぎるような気がする。ゲームが切れて面白くないのである。流れるようなパスワークとランニング、カメラが追うのも大変とも言うべきゲームであり、リズムがいい。

さらにプレーが終わり、ノーサイドになったときの瞬間の差ではないか。今日の試合でもノーサイドとなった途端、両チームの選手がお互いの健闘を称えあう光景が見られた。日本ではこうではないだろう。しばし試合結果に呆然としたり、仲間だけで喜びを分かち合うシーンが優先され、それから握手である。それまで懸命のプレーをしていて、ノーサイドの瞬間に紳士に変身するようで、すごく格好いいのだ。そして爽やかである。本来のラグビーってそんなものじゃなかったのかな。

そうした試合を期待したからこそ、4.5万人の観客という最近のラグビーでは考えられないファンだったのだろう。スポンサーのニッスイなど関係者の熱い思いを充分感じられたし、10年後の日本開催のワールドカップへの出発点としてもらいたいものだ。
0

(長月壱拾参日) 昨日の続き  

日記にするには長くなったので昨日の続きを書きたい。なぜ量的緩和政策がゼロ成長となるのかという論理を示したい。

第一にゼロ金利を維持するための量的緩和政策は企業の過剰設備の廃棄を遅らせてしまうのである。つまり供給過剰になれば、経済は非効率化にならざるをえなく、デフレを招くのは必然なのだ。

日本のバブル崩壊をもう一度思い出して欲しい。バブル期の異常な需要の水準を通常の水準に戻す過程がバブル崩壊だったのである。当然需要が急減すれば、過剰な供給が顕在してしまう。したがって過剰設備と過剰人員の削減が急務となるのだが、失業の増大というのは政治家にとっては致命傷になる。それは今回の政権交代でも明らかである。では政治は何をするか。需要の増大を目指す財政による景気刺激策である。ところが、この刺激策を止めた途端に急激に需要が減退し、長く続けば財政赤字を拡大させるという欠陥を抱えることになる。結局日銀の緩和政策でもあったように、充分な検証がなされないまま超金融緩和を続けると貸出は増えてこないということになるのである。

今アメリカの金融緩和政策で何が起こっているかというと、以前の円・キャリー・トレードに代わるドル・キャリー・トレードという新たなバブルが起こっているのである。このドルの超低金利資金を使って、世界の株式や債券、そして商品へとカネが流れ、実体経済の不振のなかで、世界中のマネーが乱舞しているのである。米ドルにリンクした通貨の各国はこの春以降、外貨準備が急速に膨れ上がっている。

しかし、歴史が証明しているようにバブルには必ず終わりが来る。このドル安バブルが終焉したときの世界経済への打撃は恐ろしいものがあるのだ。
0

(長月壱拾弐日) 日銀エコノミスト  金融

日銀の白塚さんとはネット関係の方の食事会で名刺交換した記憶がある。彼のサイトは手掛けてきた論文を網羅しており、時々訪問している。その彼の論文がThe Economist誌に掲載されたのは先週だった。

「Unconventional monetary policy---Loose thinking」と題された論文はなかなかのものですよ。バーナンキ議長は、FRBが行っている「信用緩和」は量的緩和とは別物とは言っているが、中央銀行のバランスシートを使うという点で共通点がある。日銀の経験によると、量的緩和は金融システムの安定化には寄与したが、その効果は金融界内部に止まり、デフレ期待は終わらなかったし、金融市場の機能低下という副作用もあったと指摘している。これは現白川総裁も認めていることである。さらに白塚さんは量的緩和は一時的な対応策であり、商業銀行が自らのバランスシートを回復するまでの時間稼ぎに過ぎないと述べ、しかも大規模な介入は市場に歪みをもたらすとも指摘している。

まったくもって同感である。自民党の中川元幹事長などが盛んに言っていたリフレ政策は余り意味がないものであり、いわば超金融緩和政策はゼロ成長への途なのである。やっぱりアメリカも日本の後追いをしているような気がしましたが、白塚さんがきちんと効したクオリティのある雑誌で堂々と述べたことに謝意を表したい。
0

(長月壱拾壱日) ホンダの躍進  経済

ホンダの業績が急回復している。2010年3月期の連結純利益が前期比13%増の1550億円になる見通しという。従来は 60%減の550億円と見込んでいたのだから凡そ3倍である。自動車大手で今期に増益を見込むのはホンダだけで、他社を大きくリードしている。    

何か同じような記事を見てきたと思ったら、ここ半年くらいのアメリカ主要企業の決算ニュースの業績上方修正とよく似ているのである。要は、リーマンショック以降の業績下方屈折が急すぎて、その後の見通しでかなり保守的に会社もアナリストも見てきたのに、そこまで実際は悪くは無かったということだ、

米ドル安という追い風で、アメリカ企業の輸出採算が向上し、利益積み増しに寄与した。こうして相次いだ業績上方修正ラッシュが、アメリカ景気の回復感と株価好調を演出したのである。

ホンダの場合も、日本とアジアの販売台数上方修正は、それまでの悲観の裏返しだし、実際には仕入れコストや人件費圧迫によるコスト削減効果のほうが大きく寄与している。さらに見逃せないのが、為替の差損がゼロとしていることである。想定円ドルレートが今よりも円高の85円としているので、損失がゼロになるということは、為替が今の水準に止まっているようだと実際には相当額の為替利益が出てくる可能性が高く、今回の数字の上乗せもありえる。

しかし、為替メリットは何もホンダだけではない。前年比では、今、円はかなりの通貨に対して猛烈に弱くなっている。それだけ輸出企業は、米ドル依存してなければ、かなりの好環境にあるのだ。米ドルだけを見て、今は「円高」と思っている方は認識を改めないと大変ですよ。
0

(長月壱拾日) 記念式典  政治

安重根が伊藤博文をハルビン駅で暗殺して100年にあたる昨日、ソウルで韓国政府主催の記念式典が行われた。鄭首相や遺族ら約1200人が参席し、首相は暗殺事件が「民族の独立の意志を世界中に知らせた」と意義づけ、安重根を「民族の魂の表象だ」と称えた。安重根は日本の植民地主義に抵抗した人物として英雄視されており、暗殺事件は「義挙」と呼ばれている。しかし、没後100年とかであればわかるが、他国の重鎮を暗殺した日に記念式典をしますかね。

そういえば、第一次世界大戦はバルカン半島でオーストリアの皇太子が暗殺されたことが起因であった。96年ほど前のことである。もし4年後に、かの地であるボスニア・ヘルツェゴビナがオーストリア皇太子暗殺成功100周年を祝ったならば、どうなるか想像できるだろうか。下手をすれば、第三次世界大戦が起こるんじゃないですかね。なんでこんなイベントを日本国外務省は許しているんでしょうか。民間団体が勝手にやるならまだいいのだが、立派な政府機関が公式にやっているイベントですよ。

しかし、資料写真を見て誰かに似ていると思ったら、安重根って「世界のナベアツ」じゃないですか。

3

(長月九日 上弦) GSの変質  金融

先週イングランド銀行のキング総裁が「サービスの継続を確実にすることに我々全員が共通の利益を持つ銀行の有用性という側面は、自己勘定取引など銀行が手がけるよりリスクの高い一部業務とは性格が全く異なる。」と述べ、国民の税金を投入して救済するのは、社会に公益的役割を果たす商業銀行部門だけで十分であり、リスクを取ってバクチをする投資銀行業務は切り離すべきだとの見解を示した。

これはFRBの信用をバックに高収益を上げている米国の投資銀行を名指ししたものであり、特にゴールドマンサックスのことであろう。ウォール街で最も強力なブローカー・ディーラーであるGSがごく平凡な商業銀行と同じ特権を持っているのはおかしいではないかということだ。一般庶民から見てみれば極めて明白なことだ。そもそも最近までGSをこうした銀行と同列に扱うべきだという人は一人もいなかったはずである。

10年前、GSがまだ未公開のパートナーシップだった頃は、同社の自己資本は65億ドルで220人のパートナーがいた。彼らは個人の資産の大部分を退職するまで会社に託していたので、自分たちのお金をとても大事にしていたのではないか。トレーディング収益は公開前の2年間でも収益の1/3だったのが、2006年から2007年には2/3を超えるようになり、今年1月から9月までは78%を占めているのである。

GSは今回の金融危機で返済したとはいえ、100億ドルの資本注入を受け、210億ドルの債務は連邦預金保険公社(FDIC)によって保証されている。外部の投資家に保有されているときのほうが大きなリスクを取っているとすれば、「大きすぎて潰せない」存在であると米政府が暗に受け入れている現在、以前にも増して、他人の金で危険を冒す大きな動機を持っているのである。

確かにGSはあらゆる投資銀行の中で、最も上手く金融危機を乗り切ったし、日本のJALのようにあたかも救済される運命にあるかのような経営をしているわけでもない。万が一の場合には1700億ドルの現金と流動資産を手元においてある企業である。同社の債券や株式のプライシング業務が無ければ、世界の金融機関だけでなく公的機関も混乱の渦に巻き込まれるだけだ。したがって、公的観点から見れば、今のGSを分割して、リスクの高い一部業務を切り離すべきなのだ。

また高額のボーナスも批判の的である。しかし、GSの報酬体制はパートナーシップ時代の形態を有しており、ボーナスの約2/3は4年間かけて権利が生じる制限付株式で支払われるし、上級パートナーは退職するまで75%以上保有しなければならない。この保有制限がGSが他の金融機関より上手く乗り切った理由でもある。したがってこの高額ボーナスについては、退職するまで封印するぐらいの対応しか出来ないような気がするのである。

要は納税者が納得できる措置を早急に取らなければ、GSといえども将来は分からなくなるだろう。
0

(長月八日) 往年の名投手  スポーツ

東京六大学は早稲田にハンカチ王子の斉藤が入部したことにより、マスコミでの露出度も多くなり、ケーブルTVなどでも中継されているが、関西の6大学でもリーグ戦を行っていることをどれほどの人が知っているだろうか。

6大学は、関大、関学、同志社、立命館のいわゆる関関同立に京大と近大を加えたリーグ戦である。揉め事の好きな関西では、このリーグ戦は復刻版で元々関西六大学は関関同立に京大と神戸商大を加えたものがオリジナルである。ところが、京大と神戸商大が弱すぎて話にならなくなり、関学も往年の姿は全く無しで、これではということで東都のような入れ替え戦を始めたわけである。

当然のことながら、力の差で脱落して同志社や関大も危なくなり、OBたちが奔走して、関関同立の保全を図ったわけである。これに京大が加わったわけだが、神戸を入れるには力の差がありすぎるので、新興の近大の加入を呼びかけたのである。全国優勝を幾度と誇っている近大も他の新興大学と縁を切り、この伝統リーグに入り、プライドを得ようとしたのである。近年は各大学ともスポーツ推薦枠で選手を集めているが、近大と立命館で優勝を争っている。

ただ、今年は関大で不祥事があったため、5大学という変則リーグ戦である。この6大学の一校の関学に今春から元プロ野球の大投手がコーチとして就任した。元阪急ブレーブスの足立光宏投手である。足立氏は通算187勝で名球会には入っていないが、記憶に残る投手であり、シーズンではなく日本シリーズで飯を食った投手である。

昭和51年前年最下位に終わった長島巨人は、張本をトレードで獲得し、王とのコンビでセリーグを制覇し、前年広島を破って念願の日本一になった阪急との対決になったのである。阪急にとって見れば西本監督時に幾度となく屈辱の敗戦を喫した仇敵であった。このシリーズは阪急がいきなり3連勝し王手をかけたのだが、福本が侮辱的発言をしたため、読売ナインが発奮し、4戦5戦と連勝し、後楽園球場に戻ってきた。(ドームと違いますよ)そして第6戦序盤に7点をリードした阪急の勝利かと思えたのだが、ここから奇跡の逆転がおこり、読売のサヨナラ勝ちとなってタイに持ち込んだのである。

こうなればもうホームの読売のものということで7戦は今の甲子園のような状況のオール読売ファンとなったのである。勝てば長島巨人の初優勝だから余計力が入ったのだろう。ところが、7戦で先発した足立が球場の熱気など、どこ拭く風で飄々とアンダースローからシンカーを中心にして凡打の山を築くのであった。そして宿敵読売を敵地で破って上田監督は宙に舞ったのである。(ちなみに上田監督はジャンボ尾崎の徳島海南高校の先輩で、関大ではあの村山の球を受けていた捕手だった。)

その足立氏が後輩の清水監督に請われ、関学のコーチになっている。俺達の頃はとか、最近の若者はなどと云わずに、現役時代そのままに飄々と指導しているらしい。残念ながら関学は秋のシーズンも4位とさえないが、来年は今年の甲子園に出場し、優勝した中京と大熱戦をした高等部の連中がどっと入ってくるはずである。さらに昨年の夏の甲子園を沸かした大阪桐蔭の萩原も打撃成績の2位で4番を任されている。この4番起用は足立氏の考案のようで、それまでおっとりしていた部内に緊張感が走ったという。

69歳、野球が何よりも好きな大投手が若者の心をとらえているようである。
0




AutoPage最新お知らせ