(神無月壱日 朔) 金がとまらない  金融

200トンの金をIMFからインドが購入すると表明したのは先月だが、その頃1000ドル近辺を推移していた金価格は、1トロイオンス=1100ドルを遙かに超える水準に押し上げられている。インドに続いて中国も金の購入に走れば、1400ドルは優に超えるという強気筋もいるほどだ。

しかし、金価格の上昇ということは裏を返せばドル安がいっこうに収まらないということである。昨日のバーナンキ発言でもFRBは当面低金利を維持すると強調していたようで、これではキャリートレードの売り通貨としての地位は揺るぎそうにない。従って中印が金準備の走れば外貨準備のドルの価値が急落することは目に見えており、自分のクビをかけてまではしないとみるが、さてどうだろう。

米国や英国、そして将来の日本もそうだろうが、巨額な財政赤字を抱えている国では、自国通貨の価値を引き下げ、時刻の短期債務の金利をゼロ近くに抑える政策を有している。これは債権者に取っては不合理の何者でもない。ところが、金本位制は貨幣の価値を希少金属とリンクさせるので、明らかに債権者の利益を守るのである。なぜなら政府は紙は刷れるが、新たな金は作り出すことはできないからだ。

では金本位制が万全であろうか。世界恐慌時を思いだそう。金本位制を採用していた国は経済ショックを受けたとき、自国の通貨は守れるかもしれないが、実体経済の負担は大きいのだ。

理論的には企業と労働者はデフレの衝撃を受ければ、価格や賃金を引き下げてすぐにショックに適応できるはずであるが、実際にはそうはいかない。適応に時間がかかり、大量の倒産と失業を生むのである。つまり他国の債権者より、自国民の利益を喪失させるのである。政治的にこれを納得させるのはまず不可能である。従って、金本位制は停止されたのである。

しかしそれでも金は上がり続けている。これは金融危機の次のシナリオは為替市場でのパニックなのかもしれないという不安が蔓延している証拠だろうか。
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