(神無月壱拾壱日) ドバイの影で  経済

ドバイ・ショックは1997年のアジア危機の発端であるタイを思い出す。当初タイだけの通貨ショックと思われていたのに、タイの次はどこだ!という疑心の波がアジア各国を襲った。餌食になったのはマレーシア、香港、韓国と伝染病のように猛威を振るった。そしてLTCMが吹っ飛んだ一年後のロシア危機にもつながった。マハティールとソロスの激論を覚えている方も多いだろう。

さて今回火種になりそうなのがベトナムである。リーマンショックより前からベトナムが石油高や資源高で輸入が増加する一方で、輸出が思うように増えないため貿易赤字が増え出したのである。これによりベトナムの通貨ドンは米ドルに対して弱い傾向にあった。リーマン以降の世界不況で世界中の輸入量が減少するなか、ドルにペッグする人民元の競争力が強まり、ベトナムだけでなくアジア各国の輸出競争力は落ちていった。このため闇レートがあまりにドン安になったので、これを公式に認めざるを得なかったわけだ。

貿易赤字の拡大は経常収支の対GDP比を下げていく。こうなると海外からの投資がなければ国際収支は成り立たない状況となる。(この間、ベトナムは有力な投資先と叫んでファンドを設定していた各社は投資家の、いわば背信行為とも云うべきなのだ。)(まあ、そこにいた私の寿命が短かったのも当たり前というわけ!とほほ)

今回の小幅な切り下げで貿易赤字が縮小するほど、現在の世界経済は甘くはないだろう。ほかにも探せばぞろぞろ出てきそうだ。欧州ではギリシャあたりかなあ。
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