(師走廿日) トヨタの凋落  経済

何かいつぞやの雪印を思い出すような会見でもあった。トヨタはアクセルペダルの不具合に伴うリコールについて、品質保証担当の佐々木真一副社長が、記者会見して謝罪した。今回の一連のリコール問題について、幹部が国内で会見して説明するのは初めてだ。遅いわな。しかも会見はトヨタの名古屋オフィスで質疑は約40分。質問を求める手は挙がり続けていたが、定刻で打ち切られた。これでは誠意ある謝罪とは誰も見ないだろう。

トヨタの強さは、その車の品質の良さに対する信頼から来ていたはずだ。品質の良さは、トヨタ式生産方式を発明して維持してきた長年の努力によるものだ。行灯方式はその象徴でもある。行灯方式とは、トヨタの製造ラインにおいて些少でも問題を見つければ、労働者の誰でもが役職に関係なく、行灯の紐を引いて、工場の生産ラインをストップさせることである。これによるライン停止は大きな損失を産むが、僅かなトラブルが将来に致命的なダメージとなって、会社に大ダメージを与えるのを防ぐための仕組みだったはずである。しかし、この方式はもうお蔵入り担ったようだ。

トヨタが昨年9月にリコール勧告を受けたあとも、経営者は問題を放置し続け昨年12月にはまた欠陥が理由の死亡事故を起こしている。それにもかかわらず、トヨタのアクションが見られないので、世界中かトヨタに対する批難が大きな声で沸き起こっているのである。トヨタは世界一の品質への信頼を集め、世界一のメーカーになるのに50年以上の先輩たちの弛まぬ血と汗の努力を要した。

あの傲慢ともいえる会見で、このすべてが吹き飛んでしまった。あの松下が今も行っているファンヒーターの回収CMのような地道なことをしない限り、トヨタはもうトヨタではなくなるだろう。
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