(如月廿七日) 新党ラッシュ  政治

雨後の竹の子のごとく新党ラッシュになりそうである。まあ、本人の自由意志だしその行動をどうこう批判するすべももっていないが、すこし書き留めておこう。

昨年民主党政権が成立した時、まず言われたことは、「自民党の一党独裁政権から民主党政権が誕生し、二大政党時代の幕開け」と言われた。しかしどちらかと言えば、「民主党は寄り合い所帯」と揶揄されるほど、民主党の脆弱さや基盤の弱さが目立っていた。 一方で、自民党は50年以上も結束を保った組織であり、野党に下野したとはいえ、「これは一時的な下野であって、いずれ近いうちに再び勢いを取り戻し、政権を奪還するのではないか」と思われた。

最初の3カ月は、マニフェストに挙げた公約「高速道路無料化」「八ツ場ダムの中止」(今や誰も何も言わないのはなぜ?)とか「こども手当支給」、「高校の無償化」や「普天間基地県外移転」といった事が話題の中心になり、国民は「民主党の公約がどこまで実行に移されるのか」に関心が集まった。そうこうしている内に景気の二番底不安が出てきて補正予算の話になり、基本的にバラまきには誰も反対しないのですんなり成立。

そして、年末頃から小沢幹事長の政治資金収支報告書、続いて鳩山首相の母親からの資金供与、小林議員の政治資金問題と、続々と政治とカネの話が出て、一時は民主党執行部を揺るがしたが、これを何とか乗り切り3月末に平成22年度予算を成立させて、今後は普天間基地問題を乗り切って夏の参議院選挙態勢に入ろうとしているのが現状であろう。

その一方で、民主党は次の参議院議員選挙に向けて着々と手を打っている。マニフェストにもあったように農家に約5000億円強もの助成金をバラまき、浮動票の中核である家計に対してこども手当を支給し、更には高校の実質無償化までも実現させた。さらにかつての選挙集票マシーン言われた郵政グループを実質的に昔の組織に里帰りさせ、10万人の非正規雇用者を正規雇用し、これを賄うために郵貯の預け入れ金額を1000万円から2000万円に増額することで、郵政グループを完全に民主党に取り込んだ(ちょっとアメリカの横やりが出てきて中座状態)。これにより今後膨れ上がる国債の安定消化先を郵貯に引き受けさせることで、当面の安定的な国債の財源確保にまで目途をつけた。小沢戦略は一貫している。

かつて「鉄のトライアングル」と言われた政・財・官の鎖の一本と頼んだ経団連が、各企業の献金に対する施策毎の政党評価を中止し、今後は自主献金にすることを決定した。これによって自民党へ自動的に流れていた金が急速に細り、自民党を下支えしていた土建業界はドミノ的に民主党に鞍替えし、更に、民主党は自治体からの陳情の窓口を一本化して、その隠然たる権力を見せつけている。最近になって日本医師会に民主党支持の新会長が誕生し、あの日本医師会も民主党に大きく舵を切り始めた。 

実際の個別の候補者選びでは、地元放送局のアナウンサーを中心に人気のある人を候補者に上げることで浮動票の取りまとめに力を入れている。さらに二人区に二人の候補者を擁立して、何としても参議院の過半数を確保しようとする凄まじいまでの小沢の執念だ。

政治的には国民新党も社民党も民主党と連立を組むことで、自分たちの存在をアピールすることができ、連立を離脱する気など毛頭無い。一方、下野した公明党は自民党と手を組んだ公明党執行部が次々に政界を引退することで若返りを図っており、民主党ににじり寄るタイミングを窺っている様子が見え見えである。

自民党はかつての一党独裁政党としての勢いはない。権力という強力な接着剤で辛うじてまとまっていた自民党は派閥の締め付ける力もカネもなく、崩壊が始まっている。最近の離党ブームがそれの象徴であり既に機能不全状態にある。やはり野党に慣れていないからか、あるいは批判すれば過去の自分たちの悪政を暴くことになるのだろうか、民主党への批判はむなしく響くだけだ。

では選挙はどうなる。この半年間の民主党の政権運営に失望したが、自民党にはもっと失望した。もう何もない!、というのが国民の本音だろう。そうなるとどういう投票行動になるか。一番の可能性は失望感の受け皿となる政党がなく、かつてのように政治にそっぽを向いてしまう可能性が高くなる。しかし組織票を固めつつある現在の民主党には思う壷である。

つまり参議院選挙では、低い投票率のなかで民主党が大勝する可能性が出てきているのだ。つまり民主党一党独裁体制が出来上がることになる。これは昔の自民党とその他大勢と同じ政治体制である。金の切れ目が縁の切れ目で野党総崩れの可能性すら考えられる。
整理すると
(1)低い投票率の下、民主党が大勝する可能性が出始めている。
(2)その際には野党はバラバラな小さな政党の乱立となり、二大政党体制にはならない。
(3)その結果、民主党一党独裁体制の幕開けとなる可能性がある。

さてこの予想はどうなるか。
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